セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

さわかみ投信と鎌倉投信共催の長期投資新春セミナー(その2)

1/9にさわかみ投信本社で開催された、さわかみ投信と鎌倉投信の長期投資新春セミナーの後半です。
質疑応答の模様です。

前半記事はこちら。

 

◎質疑応答(以下、敬称略)

【(さわかみファンドは)大きく下がった時のために、株価が高い時に売却して現金化しておくとのことだが、株価のピークなんて分かるのか?】
(さわかみ・岡田)
もちろん、ピークは分からないし、ピークで売却するというわけではない。定量・定性両面から企業を評価して将来の財務状況と企業価値を予測したうえで、株価が企業価値を一定以上上回った場合に、一部利益確定する。

【外国株式は入れないのか?】
(さわかみ・岡田)
買えることにはなっているが現在は組み入れていない。投資先候補企業の、業績の裏付けを取ったり、しっかり調査しようとするとやはり日本企業になる。

【「応援買い」というが、投資信託は、企業に直接出資や融資をせずに、市場で株主から株式を買っているだけ。本当に応援になるのか?】
(さわかみ・岡田)
確かにお金が直接企業に渡るわけではないが、株式を買うのは文字通り株主になること。
株価がどんどん下がって苦しいときに、短期の値上がり目的ではなく、長く持つ株主として買い支えることは、応援になる。企業側も、みんなが売っているときに、まとまった買いが入ってくれるのは有り難い。

【企業の不正会計などに対する備えはしているのか?】
(さわかみ・岡田)
開示されている財務諸表に不正があったとしても、運用会社として見ぬくことはできない。正しいものとして扱うしかない。もちろん、そういった事態にも備えて、分散投資して対応する。

(鎌倉投信・鎌田)
外部の投資家が、不正会計に事前に気づくにはインサイダーでもなければ無理。
ただし、経営者から現場の社員まで、理念や行動規範が浸透している会社ならば、そういった不正は起きにくいと考える。

【「いい会社」はどのように見つけるのか?】
(鎌倉投信・鎌田)
35~40の評価項目を設定している。公表されている情報やデータはもちろん調べるが、より深く、企業の実際の姿を把握するようにしている。

例えば、「障がい者雇用」であれば、障がい者雇用をしている企業の特例子会社の連絡協議会に運用責任者(新井さん)が参加したりしている。各社のどういう立場の人が参加しているかで、法定雇用率を満たすためにやむなく雇用しているのか、本気で障がい者に活躍して欲しいと思っているのか分かったりもする。

また、経営者に会うだけでなく、現場の社員のリアルな声を聴くようにしている。面白いところでは、来客用ではなく社員用のトイレに行ってみたり、工場の裏側が整頓されているかチェックしたり・・・と、いろいろな工夫をしている。
※こういった会社の「リアルな姿」を知るためのいろいろな努力は、よくファンドマネージャーの新井さんからお聞きします。抜き打ちでいろいろ探られたりするので、会社側の従業員の人もなかなか大変です。

【いい会社の評価項目に優先順位はあるのか?】
(鎌倉投信・鎌田)
優先順位は特に設けていない。よくあるような、「評価指標のスコアリング」もしない。
考え方としては、全てそこそこの会社よりも、「人材育成」など特定の項目が際立って秀でている会社を重視する。いろいろな個性のある会社を組み合わせることで、調和の取れたファンドになることを目指している。

【結い2101のポートフォリオのウェイト配分の方法は?】
(鎌倉投信・鎌田)
いい会社に優劣はないので、等金額ポートフォリオが基本。
「予測はしない(できない)」というのが鎌倉投信のポリシー。等金額になるように、日々相対的に上がった企業を売り、下がった企業を買って微調整するシンプルな作業をしている。
また、業種や規模の分散だけでなく、若い会社と成熟した会社、海外売上比率の高い会社と内需中心の会社・・・と、予測ができないからこそ、あらゆるリスク分散をしている。


他にもいくつか質疑があり、活発なやり取りでした。
投資関係のセミナーでは、何かと「どの銘柄が上がりますか?」「今年の相場はどうなりますか?」といった質問が多かったりしますが、さすが長期投資を志向する参加者で、的を得た質問が多かったです。

さわかみファンドの顧客が多かったと思いますが、鎌田さんが話すと熱心にメモを取る人もいて、鎌倉投信の存在感も大きくなっている印象でした。

さわかみ投信の本社は初めて行きましたが、社員の方の対応はしっかりしていました。
経営理念のパネルが社内に貼ってあったり、さすが直販投信のパイオニア、という雰囲気でした。

独立系各社が伸びている中で、最近のさわかみファンドは、純資産流出&口数減少が目立ち、運用体制やパフォーマンスの面でもいい評価が聞かれませんが、とはいえ、直販投信のモデルをつくった会社で、規模的にもまだトップです。
見ておくべき運用会社ではあると思います。