セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

認定NPO法人テラ・ルネッサンス設立15周年記念イベント(東京・11/12)(その1:事業活動報告)

地雷、小型武器、子ども兵などの問題に取り組む認定NPO法人テラ・ルネッサンスが、2001年の設立から15周年を迎え、京都(11/6)と東京(11/12)で記念イベントを開催しました。東京の部に、運営スタッフとして参加したので、レポをアップします。

15年の節目に、理事長・小川真吾さん、創設者・鬼丸昌也さんはじめ、アジア、アフリカからもメンバーが一同に会する貴重な機会。今までの活動を振り返り今後のビジョンを共有する中味の濃いイベントでした。



認定NPO法人テラ・ルネッサンス 設立15周年記念イベント 東京 『 一人ひとりが平和のかけら peace by piece 』

-----プログラム-----
・事業担当職員による活動報告
・トシャ・マギーさん講演「Life is so beautiful~これまでの歩みと感謝~」
・パネルトーク「テラ・ルネッサンスの今までと、これから~事業体から運動体を目指して~ 」
・鬼丸昌也さんスピーチ


事業担当職員による活動報告

アジア事業(江角泰さん)、アフリカ事業(鈴鹿達二郎さん)、岩手・大槌刺し子(吉田真衣さん)、啓発事業(栗田佳典さん)から活動報告がありました。




●アジア事業(江角泰さん)

地雷除去支援(カンボジア)や不発弾撤去支援(ラオス)を行っていますが、より力を入れているのが、被害者の生活再建と持続的な発展を進めるための、除去後の村落開発支援です。

カンボジアの地方部などでは、多くの援助機関の「援助漬け」で、地域の自立が逆に妨げられています。そこで、支援対象の村の自治会に、モノやお金をあげるのではなく、野菜の種を配布した取り組みが紹介されました。種は村の人達が自ら育てるアクションを起こさないと何も生みません。今では家庭菜園で育て、売れる人も出てきたそうです。

これは一例ですが、現地の人達が本来持っている力を発揮して「自立」「自治」ができるようにサポートしています。


●アフリカ事業(鈴鹿達二郎さん)

活動国はウガンダ、コンゴ、ブルンジですが、同じアフリカと言っても、事情やニーズは国ごとに全く異なるため、各地域の実情に合わせた支援を行っています。

ウガンダでは、元子ども兵の社会復帰支援を行っています。日本からの支援に基づいて職業訓練を受けた元子ども兵の若者達が、その金額を大きく上回る所得を生み出していると、具体的な数字で紹介されました。

コンゴでは、未だに紛争の影響が色濃く、基本的な食糧確保が課題です。援助機関の食糧支援に頼らなくても自給できるよう、農業支援を中心に行っています。また、クラウドファンディングで、紛争の性的暴力被害者たちの収入向上支援も始まりました。

【関連記事】
テラ・ルネッサンスのクラウドファンディング「幸せな洋服屋さんプロジェクト」(READYFOR)

ブルンジでは、養蜂によるコミュニティビジネス支援が始まっています。




●大槌刺し子プロジェクト(吉田真衣さん)

震災をきっかけに、岩手・大槌町で始まった大槌復興刺し子プロジェクトもはや5年以上が経過しました。

実は自分がテラ・ルネッサンスを知ったきっかけは、ウガンダでもカンボジアでもなく、2014年の鎌倉投信の受益者総会で目にとまった大槌刺し子のブックカバーでした。

【関連記事】
「大槌復興刺し子プロジェクト大感謝祭2014」に行ってきました

この間の売上総額は1億円を超えました。その一部は刺し子さんの収入になり、社会的だけでなく、経済的なインパクトも着実に生んでいます。

震災から間もなく6年、テラルネでは、刺し子さんとも対話しながら、これからの地域への貢献のあり方を考えています。昨年には新プロジェクトとして、飛騨高山のSashi.coの二ツ谷恵子さん監修で、一点ものの伝統柄のバッグを製作しました。
刺し子さんの技能と、地域の魅力を発信するために大事な取り組みです。

大槌刺し子は、国内で気軽に買えるエシカルな商品の一つだと思っています。今回のイベントでも、Tシャツやパーカーなどの刺し子商品が好評でした!




●啓発事業(栗田佳典さん)

地雷や子ども兵などの課題を広く知ってもらうための啓発事業もテラルネの柱です。2015年の国内での講演やイベントは年177回で、2004年当時(60回)の約3倍に増えました。
古着や携帯電話などの不用品を寄付する仕組み(めぐるプロジェクト)も着実に拡大しています。

一人の人に伝えることは、さらにその人を通じて多くの人に伝わり、変化を起こすきっかけになります。栗田さんの講演を学校で聞いた女の子が、子ども兵の問題を漫画にして紹介してくれたエピソードも紹介されました。

年次報告もそうですが、活動報告全体を通して、数字による具体的なインパクトの説明が多くよかったと思います。

続いて、アフリカ事業コーディネーター、トシャ・マギーさんの講演の模様です。

認定NPO法人テラ・ルネッサンス設立15周年記念イベント(東京・11/12)(その2:トシャ・マギーさん講演) - セルフ・リライアンスという生き方