セルフ・リライアンスという生き方

自分も社会も豊かにできるお金の使い方について。日々の投資や寄付の記録を綴ります。

鎌倉投信・第13回「結い 2101」受益者総会(その2)

鎌倉投信の第13回・受益者総会レポの後半です。

前半はこちら。

企業展示

3部は、オンライン上での企業展示コーナーでした。受益者総会では、いつも会場で投資先企業がブースを出して、商品の紹介やプレゼンを行いますが、そのオンライン版でした。

エフピコ、モリタホールディングス、リオンのお話を聴きました。

エフピコは、最新のプラスチック容器や、リサイクルトレー工場の作業工程の紹介でした。最新の弁当容器では、本体とふたの絶妙な密着具合を実現することで、顧客企業がテープ止めの作業が不要となりました。また、強度を維持したまま容器を軽量化し、25%のプラ削減を実現。顧客の問題を解決すると同時に、環境にも貢献し続ける技術力の高さを感じました。

モリタホールディングスは、消防車シェアNo.1の企業です。工場の映像を見ましたが、はしご含め全てオーダーメイドで、他社が真似するのは簡単ではないと感覚的に分かります。買収したフィンランドのブロント社は高所作業車が強く、風力発電のタービン(高さ100m近いものも多い)のメンテナンスが伸びているそうです。

リオンは途中で時間切れとなってしまいましたが、オンラインでも、各社目や耳で体感できる工夫がされていて、製品・サービスの強みを知ることができました。もう少し時間が長めでもよかったですね。

経営者のパネルディスカッション

最後のパートは、投資先から、第一稀元素化学工業の國部洋社長、ユーシン精機の小谷高代社長を招き、鎌倉投信・鎌田さんの進行による鼎談でした。

第一稀元素は川上に位置するジルコニウムなどの素材、ユーシン精機は最終工程のプラスチック射出成形品取出ロボットと、同じ製造業でも領域が異なります。また、國部社長は銀行出身、小谷社長は技術者ということでバックグラウンドも違います。一方で、企業規模や時価総額は近く、技術力の高さでグローバルニッチなポジションを確立していること、最近就任した創業家出身の若い経営者という点は共通しています。共通点と対比が興味深かったです。

印象に残ったお二人のコメントです。

第一稀元素化学工業・國部社長

・(レアアースショックで損失を出した時の経験から)誤ったことは反省しながらも、常に前を向いて進まないといけない。

・(世界一になれている理由は?)ニッチなジルコニウムに特化していること。ジルコニウムをやり続けたことで、他の元素との組み合わせの知見を積み重ね、承継できていること。

・日本企業は技術や品質が高いのは間違ないが、そこに依存し過ぎている。海外の企業のようなビジネス視点やスピード感を持たないといけない。

ユーシン精機・小谷社長

・(もともと技術者なので)入社当時は技術志向で視野が狭かった。今は経営の立場で、より広いビジネスの視点を持てるようになった。

・技術はあくまでお客様、社会にとっていいものを提供するための「手段」。(技術が目的化してはいけない)

・(世界一になれている理由は?)お客様の生産性を上げることにこだわっていること。長く使われる機械なので、アフターサポート、メンテナンスまで含めた総合力で信頼を得ていること。

「社長って楽しいですか?」という質問に対する小谷社長のお答えは経営の本質を表していると思いました。

・経営者は、技術だけでなく、品質、営業、サービス・・・操縦できるレバーがたくさんある。どの力で進んでいくか、組み合わせの総合力でどう戦うかを考えることができる、それが面白い。

ニッチな技術でトップを極めた2社ですが、あくまで技術は顧客に価値を提供するための手段であって目的になってはいけない、と語っているのは印象的でした。また、お二人とも、経営者の責任の重さを率直に吐露していて、先代から引き継いだものの大きさも感じました。いいものは引き継ぎ、進化させて、会社の価値を高めていって頂きたいです。

所感

鎌倉投信は、「匠」の観点で投資する場合でも、技術だけでなく「人」や「共生」の要素もトータルに評価しています。いい会社が持っている、技術プラスαの価値が伝わる総会でした。オンラインでも、投資先との距離感が近くてよかったと思います。

鎌田さんが最後に話された通り、日本が成熟化する中でも、個々の企業に目を向ければ、高い技術を持ちグローバルに活躍している会社はたくさんあります。「投資は投票行動」です。意思を込めたお金をいい会社に託すことが、社会課題の解決と豊かな社会づくりにつながり、結果的に長期的なリターンを生むのだと思います。日本の未来と、投資のポジティブな力に希望を感じる受益者総会でした。

鎌倉投信のみなさん、登壇企業の方々、今年もありがとうございました。