セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

鎌倉投信の第10回「結い2101」受益者総会

鎌倉投信・結い2101の10回目の受益者総会。
第5回から6回連続での参加となりました。2年ぶりの京都で、会場はリニューアルした京都国際会館でした。

テーマは「『人』 すべてはひとりの想いから」。
午前中は投資先の企業展示、午後はファンドの運用報告と投資先企業の経営者による講演が中心でした。

詳細レポはオフィシャルで上がると思うので、感じたことを中心にシェアします。

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企業展示

投資先企業を中心に17社がブースを出しました。
今年は、B to C系の生活に身近な企業が多く、10時の開場直後から盛り上がっていました。特に、カゴメ、ユーグレナ、マザーハウス、養命酒などはたくさん人が集まっていました。

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カゴメブースで、手をセンサーに乗せるだけで野菜摂取度が分かる「ベジチェック」を体験。12段階中の7.0でしたが、来場者は5点台が多く、まあまあ野菜が採れている方だそうです。カゴメ社員さんの平均は7~8とのこと。

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去年の横浜の総会でシャンプー、トリートメントを頂いたコタの社員さんに感想を伝えたところ、喜んでくれました。社員さんとコミュニケーションできるのも受益者総会の醍醐味です。

結い2101 運用報告

今年1月に入社した、社内で一番若いという資産運用部の橋本研一さんの説明でした。
ポイントが分かりやすく、スムーズな進行でした。頼もしい人が入りましたね。

第10期の結い2101の主なポイントです。(2019年7月19日時点)

純資産総額 384億円(+3.2%)(9/20現在は約387億円)

顧客数 19,771人(+3.9%)

投資先企業数 66社(現在は67社)
 新規投資5社:すららネット、島精機製作所、ソウルドアウト、鈴木、平田機工

第10期リターン △5.6%(同期間TOPIXは△10.6%)

今年はR&Iファンド大賞2019の最優秀ファンド賞(NISA/国内株式部門)に選定されました。6年ぶりの最優秀賞でした。

2016年7月末~3年間のパフォーマンスで、日本株アクティブ389本のうち、年率リターン(+5.9%)は306位、標準偏差(7.4%)は1位、シャープレシオ(0.8)は29位。
パフォーマンスの安定性とリスクの低さだけでなく、純資産の持続的な積み上がりが評価されたとのこと。
「R&Iファンド大賞2019」 ~「結い 2101」が最優秀ファンド賞(NISA/国内株式部門)に選ばれました~ | 鎌倉投信

大事な部分、として示されたのが次のスライド。
第10期は、相場の影響でマイナスリターンでしたが、投資先の純資産+配当の増加率(企業業績)は、設定来ずっと安定的に成長していて、ファンドの目標年率リターン5%を十分に上回る水準にあります。

短期的に株価が変動したとしても、投資先企業の価値は着実に大きくなっている、という事実を理解していれば投資を継続できます。初参加の来場者も多かったので、この「価格」と「価値」の違いをきちんと説明しているのはよかったです。

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新しい試みとして、来場している投資先の経営者さんにマイクを振る場面がありました。
今回は地方からも多数の企業が参加しており、日本空調サービス、コタ、SHOEI、アミタ、KOA、ソウルドアウトの経営者からコメントがありました、受益者、運用会社だけでなく、投資先企業も同じ場を共有しています。

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いい会社の経営者講演

受益者総会のメインパートです。今年は、投資先から3人の経営者が登壇。

・ユーグレナ 出雲充さん
・すららネット 湯野川孝彦さん
・マザーハウス 山口絵理子さん

ユーグレナの出雲さんのスピーチには心動かされました。以前登壇された2016年時から一段とパワーアップされた印象。バングラデシュでの栄養改善プロジェクトや、バイオジェット燃料開発の話でしたが、ミドリムシで「人と地球を健康にする」という理念を絶対に実現するために、どんなことでもやり遂げる!というエネルギーを感じました。

出雲さんは周囲から「絶対無理」と言われるほどモチベーションになるそうです。ミドリムシの屋外培養も絶対不可能と言われていた技術でした。

ユーグレナは、個人株主との対話を重視しています。個別株はリタリコだけしか持っていませんが、株主として応援するのもいいですね。

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すららネットも注目している会社です。湯野川社長の話は初でした。
すららは、今の学校教育に欠けている多様性や個性を重視する教育を、テクノロジーの力で実現しています。低所得者層や障害のある子どもたちにも、対話型の教材によって楽しく学べる機会を提供していて、まさに本業でインクルージョンを実践している企業だと思います。スリランカでの教育プログラムは、SDGs関連で表彰もされています。
湯野川さんにとって、「オール1だった子が『勉強をしていて楽しい』と言ってくれたこと」が一番うれしかった瞬間だったそうです。

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マザーハウスの山口さんも3年ぶりの登壇でした。総会の翌日に、鎌倉投信とマザーハウスの共催で、山口絵理子さんの新刊「Third Way」の出版イベントがあり、それにも参加したので、詳しくはそちらで書きます。

3人とも、「経営者」であると同時に「起業家」です。事業分野は違いますが、自ら事業を立ち上げ、多くの困難を乗り越えて、不可能だと思えることを可能にしてきた原動力には、社会の課題を解決したいという強烈な使命感とパッションがあると感じました。

もちろん、想いだけではビジネスは回りませんが、ひとりの強烈な想いがなければ、ゼロから1が生まれないのも事実です。微力ですが応援し続けたいです。

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投資先社員さんパネルトーク

投資先企業から、小林製薬、ピジョン、カゴメの社員さんが登壇されました。
ブランディングや商品開発について、業種を超えて意見交換。カゴメはIRのご担当でしたが、他のお二人は開発や企画など現業の方でした。

こういうイベントに普通の社員さんが出てくれるのも、「いい会社であり続ける限り投資し続ける」ことで信頼関係を築いている鎌倉投信ならではです。
みなさん自分の会社や仕事を好きなのが伝わってきて、いいトークセッションでした。業種を超えた横のつながりもプラスになるでしょうね。

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なお、ピジョンの「ピジョンウェイ」は、以前山下社長(現会長)の講演で詳しくお聞きしたのでそちらを。

鎌倉投信・次の10年へ

今回の総会で特筆すべきは、代表の鎌田さんが一度もステージに上がらなかったことです。10回目の節目ということで、あえて、社員さんだけで総会の準備から運営まで全てを担いました。

若い社員さんが主体でしたが、進行も内容も素晴らしかったと思います。全て任せた鎌田さんの度量を感じたのと同時に、鎌倉投信が運用会社として、次の10年、20年をきちんと見据えている姿勢を伝えてくれました。

受益者になって約6年半経ちましたが、鎌倉投信の変わらない部分と、進化する部分が両方見られたいい総会でした。