セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

ひふみワールド・新規設定記念トークイベント

レオスキャピタルが新規設定する世界株ファンド「ひふみワールド」の購入申込みをしました。

先日、レオス本社でのトークイベントに参加したので、その模様を中心に所感です。

f:id:shimo1974:20191003223632j:plain

レオスのひふみワールドへの想い

運用内容の詳細な説明ではなく、どうして今世界株ファンドを立ち上げるのか?その想いが語られました。

本ファンドのマネージャーは湯浅さんです。藤野さんはCIOとして統括します。
藤野さん、湯浅さんの主なコメントです。

f:id:shimo1974:20191003233401j:plain


今、世界株ファンドを立ち上げる理由は、キャッチフレーズに込められています。
「世界にあふれるビックリ!をみつけにいこう」

・世界には、まだまだ知られていない素晴らしい企業がたくさんあるので、それを日本の個人に伝えていきたい。

・特に、アメリカには成長企業がたくさんあり、企業価値を上げようとする経営者もたくさんいる。

・日本の外国株式ファンドは海外の運用会社に丸投げがほとんど。そうではなく、ひふみ投信と同じく、海外でも自分たちの足で稼ぐ運用。

・アメリカこそ、実は四半期決算ばかり追いかける短期志向の投資家であふれている。だからこそ、長期目線の投資に価値があるし、企業側も望んでいる。

・ひふみ投信でも海外株のパフォーマンスはいい。だから結果が出せると考えている。
→ この点は具体的な数字は出されませんでした。

・すでに海外企業は4年の調査の蓄積あり。2019年上半期だけで、海外570社を調査。

 

f:id:shimo1974:20191003233551j:plain

続いて、具体的な企業調査活動については、八尾さんから報告。
エクソンモービル、ダウ・ケミカル、LVMH、アップル、インテル、Uber、テスラ、などの訪問の模様でした。(ひふみ投信の調査の話でもありこれらが組み入れられるかは不明)

 

f:id:shimo1974:20191003223344j:plain

ひとつ面白かったのは、ESGにもつながる「非財務情報」の話です。

・投資の時間軸が長期になるほど、財務諸表に表れない見えない情報(ビジョン、経営者、組織、顧客、人・・)が重要になる。

・S&P500の市場価値の構成要素を「有形資産」「無形資産」に分けると、時代とともに無形資産の割合が増加。もはや決算数値はコモディティ化。

・だから実際に企業を訪問し、経営者に会い、数字に表れない行間の情報を直接分析する「足で稼ぐ運用」が必要。

→ 同感です。短期の数字を追いかけても企業の価値は分かりません。非財務情報を含めた長期の分析は、アクティブファンドに不可欠な要素だと思います。

運用方針・運用プロセス

HPなどによると、運用方針は大きく3つです(あとは為替ヘッジしないという点)。

・海外の成長企業への投資

・守りながらふやす

・顔が見える運用

これからも分かるように、基本はひふみ投信のグローバル版(除く日本)です。

目論見書をひふみ投信と比較してみました。

(ひふみワールド)

『日本を除く世界各国の株式等を主要な投資対象とし、成長性が高いと判断される銘柄を中心に選別して投資します。』

(ひふみ投信)

『国内外の上場株式を主要な投資対象とし、市場価値が割安と考えられる銘柄を選別して長期的に投資します。』

これだけ見ると、ワールドは成長性、ひふみ投信は割安株、みたいですが、それぞれの文言の下にある説明文は同じです。ひふみ投信も「日本の成長企業」を掲げていますし、市場環境に合わせてグロース/バリューを柔軟に組み合わせるので、やはり基本的にはひふみ投信の海外版と考えます。

上記の「非財務情報」との関係でいうと、このイラストも一緒です。(交付目論見書より)

f:id:shimo1974:20191003225300p:plain

また、現金比率をMAX50%未満でコントロールする点、ベンチマークがないのも同じです。

運用チームは現運用部の10名体制で、ワールドのマネージャーが湯浅さん、ということ以外は国内、海外の明確なグループ分けはないようです。日本企業、海外企業は競合分析や産業動向含めて密接に連関するので、従来の調査体制を継続します。

海外の調査拠点は今はニューヨークにあります。今後増やしていくとのこと。

具体的なポートフォリオは?

イベントのQ&Aで、ワールドの地域別目標配分は?という質問がありました。
ざっくり、北米5割強、アジアオセアニア25~30%、欧州2割、というグラフが示されましたが、あくまで参考程度なので、運用開始を待つ必要があります。

湯浅さんによれば、GDPや時価総額から米国、中国が多くなるが、基本はボトムアップなので、指数を横目で見つつもそれに引っ張られる運用はしないとのこと。これもひふみと同様のスタンスです。

なお、ひふみ投信で組入済の外国株式との関係について終了後に個別質問したところ、
・・・ひふみの外国株式は国内の大型株の代替の側面が強いので、一部重なるかもしれないが基本的には別。というご回答でした。

ここは分かりにくいところで、新たにファンドを作らず、ひふみ投信の外国株式を増やしてグローバルにすればいいんじゃない?と素朴に思ってしまう部分もあります。

とりあえず申し込みました

個人のお金が投資を通じて成長企業にまわり、社会全体がよくなっていくという循環をつくるために、レオスの役割は今後も大きいと思います。

具体的な組入企業は分かりませんが、運用会社としてのレオスに一票を投じる意味で申し込みました。

万が一、それこそESG的にこれは・・・という会社が入っていたら積立はしないかもしれません。

一方、ひふみ投信での経験から、この2つは間違いないと思っています。
「とことん自分の足でいい会社を見つけてくれる」
「運用状況を誠実に分かりやすく報告してくれる」

海外のどんな会社を紹介してくれるか楽しみにしています。