セルフ・リライアンスという生き方

投資信託を中心にいい会社、いい事業にコツコツ長期投資。 社会とつながるソーシャルな投資や寄付も実践中。

ひふみ投信・ひふみアニュアルミーティング2019(東京会場)

ひふみ投信の「ひふみアニュアルミーティング2019」に行ってきました。
今までは「運用報告会」でしたが、受益者との双方向のコミュニケーションを大事にしよう、ということで今年から「アニュアルミーティング」となりました。

10時半から16時までの長丁場でした。

第1部 ひふみが考える投資と運用哲学
第2部 運用報告・これからのひふみ
第3部 アナリストセッション レオスの視点

f:id:shimo1974:20191204232801j:plain

ひふみが考える投資と運用哲学

藤野さんと湯浅さんより、レオスの運用哲学を改めて聞きました。ファンド規模も大きくなり、受益者も一挙に増えました。初参加者も多かったので、運用の根幹の部分を丁寧に説明されていました。

(藤野さん)
・「穴」を見つけてその穴を埋める=社会課題の解決がビジネスの基本。
20年前のアメリカのように、日本でも優秀な若者の起業が増えていて、とても希望を持っている。20年後は、時価総額上位の半分が置き換わるかもしれない。

・日本人の投資嫌いの根本原因は、仕事が嫌いなこと。「会社に対する信頼度」が世界でも最低水準。「労働嫌い」→「会社嫌い」→「投資嫌い」というループ。

・ひふみの考える投資=エネルギーを投入して未来からのお返しをいただくこと。だから「ありがとう」も投資。相手から「ありがとう」と感謝されれば仕事は楽しくなる。社員が楽しく働ける会社は成長する。「ありがとう」はみんなを幸せにするし、経済合理的。

(湯浅さん)
・株価=EPS × PER。 
PER=人気なので予測できない。しかしEPSは何となくは予測できる。
利益は人々の情熱・工夫・頑張りによって生まれる。だから、投資とは人の可能性に投資すること。会社がどういう製品、サービスを生み出し、どのように成長していくのか。それを見極めるのが自分たちの仕事。

・「投資」と「運用」は少し違う。運用は、投資した後に状況に応じてマネジメントすること、言い換えればシャープレシオを高める努力。そして、運用の成果を上げるために、運用会社と受益者は車の両輪。下がった時も辛抱強く持ち続けてほしい。

藤野さんの言っていた、投資以前に自分の仕事や会社を好きになること、そして、他人の仕事に対する感謝の気持ちを持つこと、大事なことですね。

第2部 運用報告・これからのひふみ

第11期のひふみ投信(2019年9月30日決算)のパフォーマンスについて。詳しくはHPの運用報告書のとおりです。

・第11期(2018年10月2日~2019年9月30日)のリターン
 TOPIX:▲10.4% ひふみ:▲14.3%
 TOPIXに大きく劣後しました。2018年末の下落時に、それまで上昇していた成長企業が反動で売り込まれたのが原因です。2018年10~12月は▲22.9%で四半期ベースで過去最大の下落だったとのこと。

 一方、2019年に入ってからの11ヶ月の対TOPIXは月次で8勝3敗で、下落後の戻りの強さやひふみらしい運用はできているとの説明でした。

 個人的には、TOPIXに勝った負けたは1年単位のことなのでどうでもいいのですが、最近のひふみ投信のリスクの大きさが気になります。本来、リスクを抑えてリターンを取る「守りながらふやす」運用を掲げていますが、ここ1年以上はTOPIXよりも値動きが大きくなっています。

f:id:shimo1974:20191204230821p:plain
(ひふみのあゆみ 2019年10月度より)

・純資産総額
 10期末→11期末の変化です。基準価額下落と資金流出が重なり縮小しました。
 ひふみ投信:148,943百万円 → 128,221百万円
 ひふみ投信マザーファンド:842,519百万円 → 737,174百万円

 レオスの公募投信全体の資金流出入を投信協会のデータで調べたところ、4月に▲129億、7月に▲44億、9月に▲67億と解約超過となっています。

 10月も▲92億の純流出なので、戻り売り的な行動を取っている人も多そうです。総額(7,000億円以上)に対する比率は大きくはないですが、1部で湯浅さんが言っていたとおり、安定的な資金流入がファンドにとって如何に大事か、運用会社として地道に伝え続けるしかないですね。

・ポートフォリオと「火風水土心」
 ひふみ投信の裏コンセプト「火(ひ)・風(ふ)・水(み)・土(と)・心(しん)」について、代表的な銘柄を交え説明がありました。企業選びの基本的な考え方です。

「火」・・・勢いのある成長株。利益成長率2ケタが5年以上継続している等。
 光通信、あいホールディングス、AMZNなど
「風」・・・変化、トレンド、テーマ性。「火」とも重なる。
 マネーフォワード、RPAホールディングス、ネットワンシステムズなど
「水」・・・守り、ディフェンシブ、割安株。
 協和エクシオ、東京センチュリー、兼松など
「土」・・・地味で地道な安定企業、地方の中小企業など。地味だが注目されていない段階で投資すれば大化けもあり。
 コスモス薬品、セリア、トラスコ中山など
「心」・・・全ての共通要素。公明正大な事業運営をしているか? ESG、SDGsの視点も。

9月末現在の投資先245社うち半分以上が「火」の銘柄です。ひふみの性格上、攻めの「火」が高めですが、停滞時には土、水の比率を上げる、一方で拡大時には火、風の比率を上げる、というようにマーケット環境によって攻めと守りの度合いを変えていきます。

ひふみ投信には、内需/外需、グロース/バリューという銘柄構成の考え方がありますが、「火風水土心」も性格の異なる企業群による分散の一つです。市場をどうとらえているかの参考になります。

今後については、半導体の市況回復や第4次産業革命(IoT、AI等)に着眼しているとのことでした。

第3部 アナリストセッション レオスの視点

三宅さんと佐々木さんがご登壇。
三宅さんからは、米中関係を中心に政治・マクロ経済動向と今後の相場への影響について。

佐々木さんの日頃の企業選びの話はなかなか聞けない話題で面白かったです。
アナリストの仕事は「エンドレス勉強」だそうです。レオスのアナリストが、寝ても覚めても毎日いい会社を探し、調べ、人と会っている、というのがよく分かりました。

 

ほかにも、お昼のミニセッションや、プレゼント企画など、スタッフの方々と接し、運用会社を身近に感じられるような機会がいろいろ用意されていました。ファンド規模がこれだけ大きくなっても、受益者とのコミュニケーションの質を高めようと努力し続ける姿勢は素晴らしいと感じました。

引き続き、ひふみ投信、ワールドともに積立をしていきます。

f:id:shimo1974:20191204235119j:plain