クラウドクレジットの北欧・アフリカの商品セミナーに参加しました。
会場は、以前草食投資隊のパーティーも開かれた、「CAFE SALVADOR BUSINESS SALON」でした。
クラウドクレジットは海外向けのソーシャルレンディングを提供しています。個人としては「ペルー小口債務者支援プロジェクト」に投資中です。
クラウドクレジットは、世界の資金需給の不均衡に注目し、カネ余りの日本の資金を、資金需要のある国の中小企業・個人に供給するような商品を次々組成しています。
今回は、クラウドクレジットのサービス全般と、比較的新しくローンチした3つのファンドについて説明がありました。
1.欧州3か国個人向けローンファンド
2.北欧個人向けローンファンド
3.カメルーン中小企業支援プロジェクト
1.2.は、ヨーロッパ(フィンランド、エストニア、スペイン)の個人向けローン債権を投資対象としています。Bondora社(エストニア)、Fellow Finance(フィンランド)という金融サービス業者と提携して、約7%~15%の高利回りの商品を組成しています。
日本で「消費者金融」はあまりいいイメージを持たれません。しかし、これらの国では、個人ローンが広く普及しています(ex.フィンランドは人口の4割が個人ローンを利用)。
リーマンショック以降、信用力より高い金利で複数の金融機関から借りている個人も多く、借り換えによるローンの一本化需要が大きいとのこと。
私が一番関心があったのは、3.の「カメルーン中小企業支援プロジェクト」です。
カメルーンファンドは、現地のOvamba社(本社はアメリカ)と提携し、現地の中小企業(輸入業者など)に対する「トレードファイナンス」による収益を投資対象とするものです。
トレードファイナンスは、買戻特約付の売買契約を使ったファイナンス方法です。
現地の輸入業者は、商品の仕入代金をOvamba社から調達する代わりに、Ovamba社に商品の所有権を移転します。その後、満期が来たらOvamba社から商品を買い戻します。
もし、借り手である輸入業者が、満期に買戻代金を支払えない場合は、Ovambaは商品在庫を市場で売って債権を回収します。Ovambaの当初の商品買取額は、時価の半額程度(掛目50%程度)のため、高いリターンが確保されています。2013年以降、実際に焦げ付いて担保処分に至ったは2件のみとのこと。
サハラ以南のアフリカ諸国では、中小事業者や個人が銀行融資を受けるのは容易ではありません。一方で経済発展によって資金需要は非常に強く、トレードファイナンスのような代替的な資金調達の役割は大きいです。実際に、Ovamba社からもより多くの資金を要望されているとのこと。
(「カメルーン中小企業支援プロジェクト4号」投資スキーム より)
なお、クラウドクレジット(エストニア子会社)から、Ovambaに直接資金を出すわけでなく、間にモーリシャスのエンティティ―(PCC:保護セル会社)を経由させた倒産隔離スキームとなっています。
中小事業者の雇用や所得拡大、金融包摂の点でも社会的な意義のあるレンディングなので、今後投資を検討します。
ちなみに、クラウドクレジットに対する既存顧客の投資の動機は、「分散投資」「ハイイールド」で75%を占めているというデータが紹介されました。
海外向けソーシャルレンディングという性質を考えればこれも当然だとは思います。
自分のような「社会的投資」としての動機は4%と少な目でしたが、ぜひ、ペルーやカメルーンのような、ハイイールドでありつつ、社会性のある商品もどんどん組成して頂きたいと思います。