セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

難民支援協会・石川えりさんトーク(コモンズ投信・第8回社会起業家フォーラム プレイベント第1弾)

日本に来る難民を支援している、認定NPO法人難民支援協会の代表理事・石川えりさんのトークイベントに参加しました。

コモンズ投信の「コモンズ社会起業家フォーラム」のプレイベントで、寄付プログラム(コモンズSEEDCap)の支援候補先となった3名のお話を聞く会の第1回でした。



第7回コモンズSEEDCap最終候補者・難民支援協会 石川さんに聞く!
~わたしたちが難民支援協会とできること~「より良い明日」のための作戦会議第1弾


SEED Capは、コモンズ30ファンドの受益者も、候補先のうち1名の方の推薦というかたちで参加できます。自分個人は実は石川さんを推薦しました。去年の社会起業家フォーラムで石川さんの話がとても印象に残ったからです。
(過去記事)コモンズ投信の第7回コモンズ社会起業家フォーラム

今回は、石川さんによる活動紹介と、コモンズ投信の馬越裕子さんを交えたトーク、参加者同士の意見交換でした。

・そもそも「難民」とは
紛争や人権侵害などから命を守るために他国に逃れてくる人達です。2013年は世界で5,000万人以上もの人がいます。

・日本に来る難民
日本でも、シリア難民などの問題は報じられていますが、「日本に難民が来ています」というニュースはほとんど聞きません。
しかし、実は、日本でもシリア難民を含め、2015年だけで7,500人以上もの難民申請者がいます。一方で、同じ2015年に法務省が難民認定したのはわずか27人と超狭き門です。認定は例外、原則不認定といってもいい状況です。

・日本の難民認定が厳しい理由
認定が通るとしても、申請からの期間は平均3~5年と長期で、かつ数百ページにもわたるエビデンスを用意する必要があり、言葉も環境も違う異国の地で、経済的にも厳しい状況にある難民申請者にとっては負担が非常に大きいです。

日本の認定が他国に比べて非常に厳しいのは、「難民条約」の解釈が厳格で、「保護」よりも「取締」的発想が強いためだそうです。さらに、馬越さんもコメントしていましたが、日本人の受容力のなさ、外国人や異文化に不寛容な(もしかしたら自分も)島国的国民性が大きいのではと個人的に思います。

・難民支援協会の活動
法的な難民認定申請サポート、医療支援やシェルターの確保などの緊急的な生活支援を中心に、日本での就労支援や起業支援(難民起業サポートファンド)など、あらゆる活動をしています。弁護士事務所によるプロボノや、採用や日本語教育などでの法人との連携など、専門家、他組織とのネットワークもつくっています。

活動紹介の動画が分かりやすいです。ナレーターは石川さんご本人です。



・「難民はここいにいます」写真展
国を動かすには世論の変化も必要です。6月に、表参道駅のコンコースで、難民支援協会が支援してきた28人の人たちを紹介する写真展が開かれました。国内の難民に対する関心がこうした活動で少しでも高まればいいと思います。

難民はここ(日本)にいます。Portraits of Refugees in Japan

写真のモデルとなった、シリアから家族を置いて逃れざるを得なかった男性(今は家族と日本で暮らしています)や、施設収容や二度の難民不認定にも負けず裁判を経て在留資格を得たエチオピアの女性など、実際のケースを紹介してくれました。

すでに難民認定を受けている人でも、公の場に自分や家族の写真が出るのは抵抗感が強く、協力してもらうのは大変だったそうです。「難民」という言葉が、日本で生活や仕事をしていく上でマイナスであり、リスクであることの証拠だと思います。



・まずは知ること
トークでは、世論の支持を受けて2万5千人のシリア難民受け入れを決めたカナダの例なども紹介されました。お国柄や政治的・歴史的事情は様々なので一概に言えませんが、日本の難民受入は先進国としてはあまりにも低レベルと海外からも批判されています。

国がもし「多様性を尊重する社会」と言うなら、障碍者の雇用や、女性の活躍、LGBTといったテーマの一つに、難民受入の問題も取り上げられて然るべきだと感じます。

難民の問題が遠い世界ではなく、近くの問題だと教えてくれる難民支援協会の活動は多くの人に知ってほしいです。これもご縁、少々ですが寄付をしました。

そして、今週以降も引き続き、第2弾、第3弾のトークイベントがあります。
第2弾は9/2(NPO法人3keys・森山誉恵さん)、第3弾が9/14(株式会社ピリカ・小嶌不二夫さん)となっています。
私も参加予定です。