セルフ・リライアンスという生き方

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世界インパクト投資ファンドの運用報告書をチェック(2018年8月決算)

大和住銀投信投資顧問の設定・運用する投資信託、「世界インパクト投資ファンド」の2018年8月決算の運用報告書が出ました。

販売手数料がかかるため積立はしていませんが、日本、先進国、新興国含む世界の上場企業の中から「社会的インパクト」に注目して選んだ企業に投資するファンドとして関心があり保有しています。

当初年2回決算で設定されましたが、後から年1回決算の「資産成長型」が追加され、2つのファンドが販売されています。2018年8月10日付で、2回決算のものは第4期、「資産成長型」は第1期の決算です。
注)分かりにくくなるので、以下、両ファンド共通の「世界インパクト投資マザーファンド」の2017/8/11~2018/8/10の数字をベースに記載します。

運用方針

当ファンドは、世界の株式の中から、社会的な課題の解決(=社会的インパクト)にあたる革新的な技術やビジネスモデルをもつ企業に投資するアクティブファンドです。

大きな着眼点として「衣食住の確保」「生活の質向上」「環境問題」の3つを柱とし、計10個の小テーマを設定して企業を選びます。

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世界インパクト投資ファンド|大和住銀投信投資顧問 より)

ポートフォリオ

マザーファンドの投資先は67社です。(うち日本2社、海外65社)
前期末は51社でした。全世界からわずか67社なのでかなり絞られています(9月末現在では65社)。

投資先上位10社はこちらです。 

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上位10社の中で、前期に新規組入したのは次の企業です。バングラデシュのグラミンフォンは引き続き投資中。

- パグセグロデジタル
ブラジルの小規模商店向けに安全かつ簡単で、手頃な価格帯の電子決済サービスを提供するデジタル決済の会社。

- ユーロフィン・サイエンティフィック
フランスのバイオ分析検査企業。世界の健康と安全の増進の貢献。40か国以上に展開。

この1年間で9社が全売却、25社に新規投資が行われています。現在は投資先を増やしている段階なのか、売買高比率は3.82と結構高いです。何年か経つと落ち着いてくるのかもしれません。

参考まで、9月末時点の国別比率と通貨別比率は次のとおりです。

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パフォーマンス

当ファンドはベンチマークはなく、参考指数として全世界株式インデックス(MSCI ACWI 配当込み)が使われています。

<マザーファンド騰落率>
・第1期(2016/8/26~2017/8/10)+24.4% 参考指数+27.5%
・第2期(2017/8/11~2017/8/10)+17.5% 参考指数+12.0%

マザーファンド設定来の約2年の推移(各月末の基準価額、設定日=10,000円として)を運用報告書から拾ったものです。前期は参考指数に劣後しましたが、今期は上回りました。

※決算日(8月10日)時点です。9月以降の大きな下落は反映されていませんのでご注意ください。

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ポートフォリオを見ても、指数構成の上位に来るような、誰でも知っている大型株は入っておらず、アクティブシェアの高い独自性あるファンドと推定されます。なので比較も参考程度でよいかと思います。
社会課題の解決にこそビジネスチャンスがあり、そのような企業は企業価値も向上するという当ファンドの仮説が成り立てば、長期的にパフォーマンスも高まるはずですがどうでしょうか。また、運用期間が積みあがってきたらリスクを含むパフォーマンス(シャープレシオ)も見る必要があります。

10/25現在で、純資産総額は2ファンド合わせて約500億円に達しており、社会的インパクト投資という比較的地味な切り口の割には存在感が出てきています。2018年に入ってからは毎月数十億円の純流入となっており、野村や大和で販売しているのが大きいのでしょうか。ネット証券ではノーロードでないこともあり人気はありませんが。。

なお、このファンドに投資する場合には大きく2つ注意点があると思います。
一つは、冒頭に書いた「販売手数料」。コンセプトは好きですがメインのファンドにはできません。

もう一つは、分配金が毎期かなり大きいこと(この良し悪しは人それぞれだと思います)。上記はマザーファンドの基準価額であり、実際我々が購入するファンドの基準価額は分配金が出た分だけ下がります。購入時の価額次第で、受け取る分配金には課税されるので注意が必要です。

引き続きどんな会社に投資するのか見ていきます。