書店で目にとまって買いました。藤野英人さんはじめ、レオスの「ひふみ株式戦略部」が監修しています。
サブタイトルに「成長株をどう見極め、いつ買ったらいいのか」とあるとおり、成長株への長期投資を体系的に学べるテキストです。非常に分厚く、500ページあります。
株式投資をする上で一番重要なのは、①成長性のある株を見極めて、②割安な値段で買う、ということです。
定性分析から財務分析、四季報の見方、バリュエーションまで、初中級者向けにとてもバランスよく書かれています。
まずはこの本の知識があれば、自分で企業を探し、財務分析と定性評価を行い、実際に価格を算定して投資し、売却する(あるいは保有し続ける)までの一連の作業がある程度完結できると思います。
特に、第3章の「成長シナリオを探る」(定性分析)と、第4章・5章の「財務諸表を読みこなそう」は非常に詳しく、分かりやすくまとまっていて、実用性が高いです。私も企業分析シートを自分なりに作っているのですが、参考にさせてもらいました。
ちなみに、この本では成長シナリオの要素を、大きく以下の3つとしています。
「会社の強み」(付加価値と競争優位性)
「成長余地の大きさ」
「経営者の能力と意欲」
四季報の見方も、実際の企業の決算推移と比較しながらの解説が分かりやすかったです。(ウィザス<9696>は自分も保有しており参考になりました)
もう一つ、いい点は、個人だからこそできる成長企業探しのヒントが多いところです。日常生活での気づきは大事ですね。
消費者・利用者としての感覚と、会社四季報を併用していくことが、個人投資家としての有力な銘柄探しの方法です。
一方、注文を付けるとすれば、「**の株価は◇年で50倍に上昇!」的なチャートがたくさん出てくるのですが、それはあくまで長期の底値から一番の高値を振り返って見た場合の話(現実的にはその利幅を取るのは難しい)なので、その辺は注記が必要かなと。
一冊を通して無駄が少なく、網羅性と質の充実度を兼ね備えた良書です。2,200円+税はお買い得でした。
優れたノウハウ・技術などの事業基盤を持ち、優れた経営者と従業員が高い目標に向かって日々努力している会社は、長期的に驚くような成果を上げるものです。
そういう会社に投資できるよう精進します。