セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

老後2000万円?!と驚く前に知っておきたいお金の話(noteイベント)

noteを運営するピースオブケイクさんのオフィスで、「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ」のスピンオフイベントがありました。

これから資産形成を始めたい人向けに、お金や資産形成の基本を知ろう、という入口的なイベントでしたが、noteにも関心があったので行ってきました。

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前半は、岡本和久さんのスピーチ、後半は、「コツコツ」の幹事である竹川美奈子さん、島田知保さんと、岡本さん、そしてご自身も最近iDecoで積立を始めたというピースオブケイクの平野太一さんのトークでした。

「老後2,000万円問題」(そんなものはないのですが)が盛り上がって以来、証券会社のセミナーに行く人が激増したと聞きます。それ自体が悪いとは言えませんが、「最初に触れる話」は大事です。

岡本さんの話は、常にシンプルです。

・資産運用の目的は購買力の維持+アルファ

・株価を追うのではなく、企業価値の長期の成長に投資する

・全世界株式インデックスファンドの積立のみでよい

ふつうの人が、着実な資産形成をするのにこれ以上シンプルで簡単な方法はないと思います。これで十分「購買力の維持+アルファ」という目的に近づきます。

「資産運用は歯磨きのようなもの」という喩えは秀逸でした。

何も面白いことはないが、生活の一部になっているもの。そして、毎日続けないと年を取った時に困るもの。

価格を追いかける短期のギャンブルとしての投資ではなく、生活の一部としての長期的な資産運用を伝えるメディアがもっとあるといいのですが。

ただ、歯磨きと違うのは、10年、20年と継続するのは非常に難しく、初めても途中でやめてしまう人がとても多いとうこと。

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継続することの難しさは後半のトークでも語られました。

幹事のひとりrennyさんは、2003年から投信の積立を始め、現在は時価ベースで約2倍に増えています。ただ、リーマンショック後は含み損の局面が4年以上あったそうです。

私も2009年頃から積立を始めましたが、リーマンほどではないにせよ、ギリシャショックなどで元本割れの期間が1年ぐらいあります。

「増えるはず」と思って投資しているのに、元本割れが何年も続いても続けられるかどうか。口座の画面で自分の投資した額が赤字のマイナス状態になっているのに積立を継続できるか。

積立投資は、下がった時に続けることで、その後価格が戻った時に大きな成果を発揮します。それを頭では分かっていても、リーマン後に辞めてしまった人は多いはずです。

続けるためには、自分が「価格」ではなく、社会に役立つ製品やサービスを生み出し成長し続ける「企業の価値」に投資していることを常に意識すること、そしてとにかくリスクを取りすぎないこと。

最近iDeco始めた平野さんは、最悪半分ぐらいになることも想定して積立をしているそうです。「元本が半分になっても気にせずにいられるか」は一つの目安だと思います。

一方、投資を始める以前に、竹川さんが最後に話した「資産形成は全体で考える」ことも大事です。

土台になる、国の保障(公的年金)、企業の保障(退職金など)、そして自分の資産運用で準備する部分、の3つをトータルで考えること。自分はどのくらいの金額がいつ受け取れるのか知ったうえで、自己の資産運用も考える必要があります。

初心者の人は、売る側の問題もあって、いきなり「商品」や「何に投資すればいいのか」という話に持っていかれがちです。

まず最初に全体を正しく知って、あせらず少しずつ始めることだと思います。
自分のリスク許容度(元本が減った時にどんな気持ちになるか、積立を続けられるか)は、実際に投資しないと分からない面はありますが、自分の経験から言うと、積立を始める最初は「毎月このぐらい投資しても大丈夫だろう」と思う金額よりも少な目で全然いいでしょう。

noteのイベントということもあって、参加者は自分より若い20~30代も多かったです。外から見たら投資の話をしているようには見えないでしょう。
ああいう雰囲気でお金の話ができると、「資産形成」や「投資」へのハードルも下がっていくと思いました。

 

(追記)インデックスファンドの積立のみで本当にいいのか?

岡本さんの話の中で、「全世界株式インデックスの積立のみでOK」という点は、ほぼ定説になっていますが、私自身は少し違うと思っています。今回のイベントの本旨とは少し違うので書きませんでしたが、異論についてはこのあたりで。関心のある方はお読みください。

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