セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

かものはしプロジェクト・2023年総会に参加しました

寄付先の認定NPO法人かものはしプロジェクトの総会に参加しました。対面での参加は4年ぶり。

現在、かものはしは、インドと日本で活動しています。「だれもが、尊厳を大切にし、大切にされている世界を育む」をミッションとし、インドでは人身売買をなくすための活動、日本では児童虐待をなくすための活動に取り組んでいます。

私がサポーター会員になった頃(2016年)は、寄付者は確か4,000人ぐらいだったと思いますが、すでに15,000人にまで増え、予算規模も約5億円まで大きくなりました。

事業報告

インド事業は10年経ち、サバイバー(人身売買被害者の人達)のリーダーシップ育成を中心に成果も着実に出ている一方、インドという巨大な国で、法制度の整備を含む根本的な問題解決には道のりは遠いようです。「当事者の声を真ん中に置くこと」を常に大事にしてきたとのこと。

インドでの活動 | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

日本事業は、2022年から本格的に開始していますが、まだ試行錯誤の段階です。児童虐待の根本的な原因は「つながりの欠如」との基本認識のもと、「社会の中に豊かなつながりを生む」ことを目指し、地域のNPOへの資金サポートや伴走支援を中心に、松戸市での「まつどでつながるプロジェクト」の支援や、妊産婦さんの孤立防止、児童養護施設を出た若者の支援などを進めています。

それまでカンボジア、インドと海外でのみ活動していたかものはしが、日本でも事業を始めると聞いた当初は少々の疑問もありましたが、今では純粋に応援しています。

日本での活動 | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

事業報告の中では、収支の実績と予算、今後のお金の使い方の方向性についても時間を取って説明されていました。細かいですが大事だと思います。

パネルディスカッション

後半のパネルディスカッションでは、「20年目に迎える新規事業の難しさ」と題して、日本事業についてスタッフさん同士の意見交換。

児童虐待という、複雑な要因が絡み合い、かつ正解のない社会課題に取り組むことへの不安や葛藤を皆さん吐露されているのが印象的でした。このような率直な声を寄付者に届けてくれるのは、逆に、かものはしという団体の強さかもしれない、と思いました。

その後、参加者同士グループで分かれ、「何とかしたいと思っていること」をテーマに意見交換。ひとりひとりの小さな「何とかしたい」の積み重ねが、社会を少しずつ変えていくのかもしれませんね。

 

かものはしを応援しているのは、子どもや弱い立場にある人の尊厳が不条理に傷つけられている問題の重大さとともに、社会問題の「構造」に働きかけ、根本的な解決を目指す、かものはしの価値観やアプローチに共鳴しているのが大きいです。

インドでの人身売買も、日本での児童虐待も、非常に難しく大きな課題です。「利益」という絶対的な目標がある企業とは根本的に違う、非営利ならではの大変さや難しさを改めて感じました。

一方で、その「正解のない」ところが、NPOの社会的意義に通じる部分とも思ったりもします。寄付でしか関われていない立場で大きなことは言えませんが、少しずつでも着実にいい方向に進んでいくことを願います。