日本証券アナリスト協会の個人投資家向けIRセミナーで、障害者の就労支援などを手がけるLITALICO(リタリコ)の長谷川敦弥社長のお話を聞いてきました。
LITALICOは、「利他」+「利己」を社名の由来にしています。
事業内容はもちろん、鎌倉投信(結い2101)やひふみ投信の投資先でもあり、間接的な投資家なので、一度聞きたいと思っていました。
45分程度で、事業の深い部分までは聞けませんでしたが、長谷川社長の人となりと、「障害のない社会をつくる」というリタリコのビジョンがしっかり伝わる素晴らしいプレゼンでした。
投資家向け説明会にありがちな、通りいっぺんの事業説明や業績の話ではなく、長谷川さんの生い立ち、リタリコに入社したわけ、そしてリタリコが目指す社会を熱く語ってくれました。思いのこもった講演が聞けて自分的には非常によかったです。IRというより「いい会社の理念経営塾」(※)的な雰囲気でした。
(※)「NPO法人いい会社をふやしましょう」主催の、いい経営を実践する経営者のシリーズ講演会。
リタリコのビジョンには誰もが共感すると思います。
障害は人ではなく、社会の側にある
社会にある障害をなくしていくことを通して
多様な人が幸せになれる「人」が中心の社会をつくる
長谷川さんは、実際にこのビジョンを事業化し、急成長してきました。
2011年からの7年間で売上は約13倍、経常利益は約22倍です。
拡大を支えてきたのは、障害者などの当事者向けに、実店舗で直接サービス提供する「LITALICOワークス」(就労支援)や「LITALICOジュニア」(発達障害の子どもたちなど向けの学習教室)です。LITALICOジュニアは人気で3年待ちだとか。
「多様な個が尊重される社会」を、きれいごとでなく、ビジネスの力で実現しようとしているのは素朴に応援したいです。
今後は、より多くの人たちをサポートするため、当事者の家族向けサービス(ライフプランニング)や、福祉施設向けの運営ノウハウ提供サービス(集客、採用、育成など)を、柱に育てていくとのことでした。
株主として長く関わってみたい会社ですが、PERなどを見てしまうとなかなか手が出ません。引き続き鎌倉投信などを通じて応援します。
長谷川さんのまとめの言葉は「社会性と経済性をきちんと両立する会社になる」でした。鎌倉投信が投資したわけが分かりました。
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