セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

ベイリー・ギフォード 個人投資家向けフォーラム2022

三菱UFJ国際投信主催の、ベイリー・ギフォード社のセミナーを受講しました。
セミナーのサブタイトルは「Philosophy & Beliefs」。同社の投資哲学と信念についてご担当者から直接聞きました。

エディンバラの長期投資家として著名なベイリー・ギフォード。100年以上の歴史をもつアクティブ運用一筋の運用会社です。日本では、三菱UFJ国際投信のファンドを通じて同社の戦略に投資できます。私はインパクト投資ファンド「ポジティブ・チェンジ」を積立中です。

ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド(愛称:ロイヤル・マイル)

ベイリー・ギフォード インパクト投資ファンド(愛称:ポジティブ・チェンジ)

例えば以下のサイトには、徹底したボトムアップリサーチ、ベンチマークを考慮しない、確信度の高い成長企業への集中投資、投資先とのエンゲージメントなど同社の考え方が詳しく解説されています。今回参加して、そのような「真の長期投資」を長年実践できてきた理由の一端が分かりました。

・パートナーシップ制
 非上場で、外部株主もいない。現役社員(51人とお聞きした気がします)による共同出資による経営。短期的な成績へのプレッシャーがなく、真に長期的視点で経営ができる。

・運用チームの多様性
 スターマネージャーはつくらない。国籍、専攻、バックグラウンドの多様なメンバーが多様なアイデアを出し合い、共有している。離職率も低い。経験の長い短いに関わらず対等に議論。多くのメンバーがエディンバラに在籍しているのでインフォーマルなコミュニケーションも充実。
 ※現在は177名(とお聞きしました)のマネージャーとアナリストが在籍しているとのこと。

・楽観主義、情熱と好奇心
 長期主義(Long-termism)とともに、楽観主義(Optimism)が思想の柱。何がダメか、ではなく、何がうまくいくか、アップサイドは何か、に焦点を当てる。
「知的好奇心が高いこと」が採用のポイント。「企業分析は教えることはできるが、知的好奇心は教えることはできない」。→ 情熱をもって追求する好奇心こそが運用力の源泉。

・リサーチの独自性
 一般の投資家とは異なる視点で投資アイデアを発掘。例えば、学術機関と対話したり、ジャーナリスト出身の独立リサーチャーと組んだりもする。大学や研究者との対話は、今後の技術の方向性、経済や社会の大きな流れをつかむのに役立つ。セルサイドや投資銀行発の情報は信頼しない。NYやロンドンの情報は短期的でノイズになる。

 

ベイリー・ギフォードの投資先選びのポイントも紹介されました。下記は「ロイヤル・マイル」のものです。日々深掘りし、議論しています。(「エディンバラからの便り 2022.8号」より)

ファンドのプロダクトスペシャリスト(顧客担当者)の方から、運用プロセスや投資企業例の話もありました。質疑応答も充実していてよかったと思います。

今回のセミナーもそうですが、三菱UFJ国際投信のベイリー・ギフォード関連の情報発信は充実していると思います。引き続き機会を設けて頂ければ有難いです。後日アーカイブが公開予定とのことです。