セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

「マンガでわかる お金を増やす思考法」(奥野 一成さん・監修)

農林中金バリューインベストメンツのCIOで、「おおぶね」のファンドマネジャー、奥野一成さん監修の新刊です。

奥野さんよりお送り頂きました。ありがとうございます!(ご紹介遅くなりすみません)

本書は、奥野さんの名著「投資家の思考法」のエッセンスと、資産形成に必須の制度の活用方法がマンガで分かりやすく学べる本です。

「投資家の思考法」についてはこちら。

主人公は、地方のスーパーで働く26歳の女性「富澤未来さん」。「謎の男」であり投資家、奥野さんとの出会いを通じて、お金と投資の本質を知り、ビジネスマインドを身に付け、仕事と資産形成の両面で成長し、成功していくストーリーが描かれます。

第1章ではジブン・ポートフォリオの考え方、第2章では金融投資(株式投資)、第3章は制度活用(企業型DC、iDeCo、NISA)を解説しています。

(※)ジブン・ポートフォリオとは、個人のバランスシートです。個人の資産は「自分資産」と「金融資産」からなります。若いうちは自己投資によって自分資産を育てることが大事、とされます。

重要なポイントです。「投資家の思考法」でも語られている事柄ですね。

・利益は顧客の問題解決の対価
・投資とは企業のオーナーになること
・企業選びの視点(付加価値、競争優位性、長期潮流)
・投機と投資の違い、価値と価格の違い
・主体的に行動できるビジネスパーソン&投資家になる(労働者2.0)

新NISAなどもあり、投資や資産形成への若年層の関心は着実に広がり始めていると思います。一方で、「投資は不労所得」とか「投資で儲けてFIRE」のように、投資か労働かの二者択一的な考え方も目にします。

劇中で奥野さんが富澤さんに伝えているのは、投資、ビジネス、仕事は全てつながっていること、そして、全てにおいてオーナーシップをもって、主体的に課題解決できる人になることの大切さだと感じます。それが結果的に自分の価値を高め、長期での資産形成につながります。

劇中の奥野さんの名台詞。

「お金持ちになりたい!儲けたい!と考えるのではなく 『ありがとう』といわれるためになにをしたらいいのかを考え続けてください」

「価格より価値を優先させる つまり本当に自分に必要なものを見抜く力を持ってこそ本当のお金持ちといえるんです」

まさに、これからジブン・ポートフォリオを長い目で育てていく新入社員さんなどにピッタリの本だと思いました。「投資家の思考法」と合わせて、企業型DCの投資教育の入門テキストにできそうです。

全編マンガではなく、テキストベースの情報も全体の半分ぐらいあります。バランスよくまとまっているので、企業型DCについて知りたい方、新NISAも踏まえてこれから長期投資の一歩を踏み出したい方にもおススメです。