セゾン投信の「セゾン資産形成の達人ファンド」は2015年から毎月購入しています。
このファンドも運用開始から間もなく16年です。16期末の運用報告書が出たので、ひさびさに運用状況をチェックしました。
ちなみに、これを書いている翌日(2023/2/19)は第16期の運用報告会があります。
パフォーマンス
当ファンドはベンチマークはありません。参考指数は全世界株式指数のMSCI ACWI(配当込、円ベース)です。
設定来リターン(2022年12月12日時点)は以下のとおり。参考指数を上回ります。
・達人ファンド:+214.8%
・参考指数:+196.7%
これを第1期~第16期の期ごとに比較すると以下のとおりです。16期のうち、達人ファンドが参考指数を上回ったのは9回です。ただし、直近5年でみると1勝4敗と振るいません。
試しに、参考指数に連動する代表的なインデックスファンド、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」と比較してみました。(直近3年、2023/2/13時点、Yahooファイナンスより)
青:達人ファンド、ピンク:オルカンです。やはり劣後しています。
2年前にまとめた際も、パフォーマンスに陰りが出ていると書いていますが、その状況が続いているようですね。
資金流出入
ファンドのパフォーマンスを支える資金の出入りも見てみました。
相変わらず安定しています。過去5年の月次で全て流入超過です。2021年以降は毎月20~30億円程度のネットの流入があります。
2023年2月17日現在の純資産総額は、2,316億円です。だいぶ大きくなりました。
ポートフォリオ:新興国クラスの一部ファンド入れ替え
達人ファンドには10本のアクティブファンドが組み入れられています。
最近の動きとしては、2022年秋に、新興国株式のファンドに変動がありました。それまでポートフォリオの約1割を占めていたコムジェストのエマージングファンドのパフォーマンスが、長らく低迷していたため組み入れ比率を引き下げ、代わりに「フォントベル・ファンド-mtx サステナブル・エマージング・マーケット・リーダーズ」への投資を開始しました。
月次レポートでは、フォントベルのファンドについてこう説明があります。
競争優位性を持ち、持続的な成長が期待できる企業の株式に投資を行うファンドで、個別企業に焦点を当てて調査を行い、価値に対して割安と考えられる場合にのみ購入する方針は他の組み入れファンドと同じですが、精緻に作りこまれたスクリーニングと伝統的な調査を組み合わせて株式を選定するところに特徴があります。
イーストスプリングのファンドにもフォントベルの同戦略が採用されているようですね。月次レポートをみると、TSMC、テンセント、アリババなど上位が同じなので同一戦略と思われます。
フォントベル・ファンドマネージャー来日記念 イーストスプリング×フォントベルESG特別対談 | モーニングスター特集
時代を創るスタープレイヤーに投資 イーストスプリング新興国スタープレイヤーズ
フォントベルは、スイス本拠で、富裕層向けのプライベートバンキングなどをメインに手掛ける運用会社だそうです。
運用チームでは、企業の真の稼ぐ力(ROIC)に着目し、体系的なスクリーニングとファンダメンタルズ分析によって、銘柄を選定しています。
達人ファンドの、いいアクティブファンドをしっかり選んで長期で投資するスタイルには変化がないので、パフォーマンスの盛り返しを期待しつつ、変わらず積み立てを続けます。運用報告会でもいろいろ聞いてきます。
ちなみに、Webサイトのファンド説明は古いのでアップデートした方がいいですね。