セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

「見る・読む・深く・わかる 入門 投資信託のしくみ」(中野 晴啓著)

セゾン投信社長の、中野晴啓さんの新刊本「入門 投資信託のしくみ」を買いました。
日本実業出版社から出ている経済・金融の入門シリーズの一つです。

先日の草食投資隊の忘年会でも、中野さんからのプレゼントになっていました。

帯コメントの「基本から応用までやさしくわかる入門書の決定版!」のとおり、個人向けの投資信託に関する書籍の中では、初歩から専門的な内容までバランスよく書かれていて、とても優れた本だと思うのでご紹介します。

中野さんは、話題になった「預金バカ」のように、長期投資や日本の金融業界に対する「想い」を書いた本も出されています。

一方、この本は、そのような読み物的要素はほとんどなく、純粋な投資信託の「テキスト」です。

(目次)
1章 投資信託はどうやって生まれどう進化してきたのか?
2章 投資信託のしくみはこうなっている
3章 投資信託には投資対象によってさまざまな商品がある
4章 投資信託の運用はどのように行われているのか
5章 投資信託の数字はこう読み解く
6章 開示書類の読み方と投資信託にかかるコスト
7章 投資信託を上手に買うために押さえておきたい13のポイント

 

おススメポイントです。

・投資信託の仕組みと基本的な用語、運用の方法、目論見書や運用報告書の読み方など、投信について知りたいことがバランスよくかつ体系的に網羅されている

・専門用語はなるべくかみくだいて、図表も多いので、初心者でもとっつきやすい

・「入門」とは言うものの、専門的な内容も広くカバーしているので、投資経験者やFPなどにも実用的

・1項目が3ページ(文章2ページ+図表1ページ)単位でコンパクトな解説、索引もあるので逆引き本としても使える


投信保有経験者ですが、特に4章~6章あたりはかなり勉強になりました。
運用会社やファンドマネージャーの具体的な仕事の進め方や、運用報告書・レポートの読み方なども詳しく書いてあります。
ある程度分かっているようで、実はちゃんと理解していない事柄も結構あるもので、知識の整理、再確認に役立ちます。

その他、為替ヘッジ型の投信でも100%為替リスクを排除できるわけではない、とか、バブル期以前はクローズド期間2年&償還期間5年の単位型投信がほとんどだった話など、初めて知る話題も多かったです。

投資信託が、金融商品の中では相対的に歴史の浅い商品であり、まだまだ発展途上にある、ということもよく分かります。

今までに自分が買った投資信託本の中では、カン・チュンドさんの「投資信託35の法則」、竹川美奈子さんの「投資信託にだまされるな!」シリーズとならぶ良書でした。
内容のレベル感とバランス、構成の面では、本書がトップかも?しれません。

入門投資信託のしくみ