セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

投資の「確信度」あるいは「納得感」

日経平均がバブル後最高値を更新しました。また、S&P500も最高値水準で、円安もあって個人投資家の含み益は大きく膨らんでいます。

私のポートフォリオも人並みには好調です。
これだけ上がってくると、売りたくなるのも人情です。

私は、2013年から2014年頃にかけて、保有ファンドを全て売却した過去があります。当時は、典型的なインデックス投資家でした。アベノミクスの初期で急激に含み益が増え、「下がったらどうしよう」という利益確定欲で処分してしまったのでした。相場はその後も上がり、結果的には機会ロスになりました。

現在も、当時に近いペースで急激に資産が膨らんでいます。
ただ、なぜか当時ほどドキドキはしません。

この理由を考えてみました。
当時より、仕事や投資の蓄積で資産規模が大きくなったのは一つあります。ただ、自分のリスク耐性が10年前より大きくアップしたとは思えません(性格は変わらない)。

考えられるのは、投資のスタイルやポートフォリオの性質が当時とは根本的に異なるということです。

2013年当時は、ほぼ100%インデックスファンドしか持っていませんでした。総体としての株式市場には投資しているものの、指数を構成する個々の企業には関心がなく、逆に言えば「何に投資しているかよく分からない」状態でした。だから、「上がっても不安、下がっても不安」だったような気がします。

その後、いい企業を選んで長期で投資するアクティブなスタイルに転向しました。
今は、個別株にしても、アクティブファンドにしても、自分なりに調べ、一定の確信度を持って投資をしています。(「打診買い」やお試し保有もありますが)

価値を創造してくれる企業やファンドを自分なりの視点で選んで、納得した上で投資しているので、その分、相場の大きな変動に対して握力が強いのではないかと思います。

また、当時と違い、投資判断の基礎となるファイナンスや会計の知識を付けたのも大きいです。個々の企業の株価水準が、自分の見立てと比較して高いのか安いのか、何となくですが当たりが付く、あるいは検証できるようになりました。(「日経平均」やマーケットが高い安いかは決して分かりません。ここは重要。)

見立て以上に割高になれば利益確定もしますし、自分の考えたストーリーが違っていれば損切りもします。逆に、いい企業が割安となれば含み損が出ていても買い増したりもします。昔と違うのは、こういう行動が相場に左右されて「心配だから」「何となく」ではなく、自分なりの根拠を持ってできるようになったことです。

経験上、インデックスファンドの積立投資を相場に惑わされず継続するのは、結構難しい面もあると思います。何千社という組入企業に対する確信度や納得感など持ちようがないからです。

世界経済の成長と時価総額比ポートフォリオに対する揺るがない信頼がある人にとっては最善かもしれません。ただ、相場が上下どちらにも大きく動いた時には、昔の私のように「どうしようか」と悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。

やはり、投資を長く継続する上で、投資先企業やそのビジネスを深く理解し、納得感を持つことは大事だと思うのです。

実は、投資のリスク許容度も、性格や資産規模だけでなく、どれだけ確信度や納得感を持って投資できているか、投資対象に対する握力の強さによって変わってくるのかもしれません。これは20年投資をやってきて小さいようで大きな発見でした。