セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

「アクティブ元年・日本株ファンド」の投信ブロガー説明会(三井住友DSアセットマネジメント)

三井住友DSアセットマネジメントさんの運用する、「アクティブ元年・日本株ファンド」のブロガー向け説明会がありました。

アクティブ元年は、同社の「投信直販ネット」の直販専用ファンドです。2019年2月にラインナップに加わりました。

今回は、投信ブロガー向けの初の試みで、同ファンドの運用方針の説明と質疑応答でした。

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三井住友DS投信直販ネットについて

個人投資家と直接つながり、資産形成について発信・啓蒙していくため、「三井住友DS投信直販ネット」を運営しています。大手で直販を立ち上げたのは同社が初(2015年~)。

現在の直販の品ぞろえは「アクティブ元年」と、バランスファンド含むインデックス7本の計8本です。

アクティブ元年・日本株ファンド

・シニアファンドマネージャーの古賀直樹さんはじめ4人のチームが運用。機関投資家向けの中小型株ファンドでは長期でTOPIXを大幅に上回るパフォーマンス。
※2003年6月末:10,000とした2020年6月末時点のパフォーマンスは114,790ポイント。(TOPIX配当込:23,710ポイント)

・徹底的なリサーチに基づきボトムアップでポートフォリオを構築。年間の調査は2,000件超。

・「ちょっと先の未来」=中長期的な企業価値の成長性を重視しつつ、短期的な市場評価の変化も考慮して投資先を選別。

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(セミナー資料より転載)

⇒ 「ちょっと先の未来」とは、2~3年イメージですが、短ければ数ヶ月の場合もあるとのこと。「変化」による利益成長が見込まれる企業に割安なタイミングで投資します。株価が大きく上がれば利益確定することもあります。自分は企業価値をEPS、市場評価をPERに置き換えてみました。

⇒ 第1期の運用報告書では売買回転率が高め(2.42)です。上位10社の変動も多く、売買は比較的積極的に行うようです。(まだ規模が小さいので回転率が大きく出ているとの話もありました)

・企業取材での着眼点は、事業環境(どこで戦っているか)、ビジネスモデル(何を武器とするか)、成長戦略(どのように戦っていくか)。

・withコロナにおける投資アイデアは「働き方の変化」「生活様式変化」「デジタル化加速」「経営意識変化」。業種の分散ではなく、投資アイデアの分散によってリスク分散を図る。

・投資先は現在80数社。組入比率は確信度やボラティリティを考慮しウェイト付け。⇒ ファンド規模が大きくなった時を想定した運用を現段階からしており、規模に比例して企業数がどんどん増えていくことはなさそうです。

・ボトムアップなので業種別割合の目安はない。現在の割合はあくまで結果。市場別では1部が約7割だが、「変化」に着目するので中小型株が中心となる。

2020年6月末時点の組入上位10社はこちらです。テクノクオーツ、SBテクノロジー、ジャストシステム、クミアイ化学工業、オイシックス・ラ・大地、と続きます。

マンスリーレポート/アクティブ元年・日本株ファンド

感想と意見

長期保有というより、2~3年程度先を見据えて投資し、株価が上がれば売却して入れ替えもどんどんしていくタイプのファンドだと思います。レポートでも「利益確定」という言葉が多く見られます。

中小型株を中心に、少し先の変化に着目する運用スタイルは、コモンズ投信のザ・2020ビジョンを思い出しました。(2020ビジョンは5~10年先としています) 

私はひふみ投信なども持ってはいますが、基本的に長期保有のファンドに投資したいのと、日本株のアクティブファンドはすでにたくさん持っているため、すぐに投資することはないと思います。ただ、機関投資家向け含めて長期でかなりの実績を挙げているのは評価できます。

本ファンドは直販のみです。直販というと販売手数料ゼロやコスト減をメリットとして挙げる人もいますが、私は、直販の意義は、運用会社と受益者が直接コミュニケーションできることだと思っています。これは特にアクティブファンドで大きな意味があります。

アクティブファンドは、パフォーマンスではなく運用哲学に投資するものだと思います。結果としてのパフォーマンスは重要ですが、運用者が何を考え、どんな理由で投資先を選び、どんな投資行動を取ったか、それらが運用哲学と一貫性があるか、が分かることが大事です。それが投資家との価値観の共有を生み、ファンドのファンを増やし、安定的な資金の入りと残高増につながります。

すでに、月次レポートのWeb化や、動画配信など開示に力を入れていますが、直販のメリットを生かして、開示やレポートは他の直販・独立系に負けないレベルを目指してほしいです。他にもリアルのセミナーや会社見学、投資先を交えたイベントなどさまざまなコミュニケーションが可能だと思うので、大手運用会社でもこんなことができるんだ、というのを見せてほしいですね。

また、インデックス偏重の時代にあって、成長するいい企業をきちんと選んで資金を供給するアクティブファンドの役割の大切さについても積極的に伝えていって頂ければと思います。今回は参加させて頂いてありがとうございました。