セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

CAMPFIRE Ownersのオンラインセミナーに参加しました

CAMPFIRE Ownersは、CAMPFIREの提供する融資型クラウドファンディングです。現在、私個人は2つのファンドに投資中です。

今回、投資しているファンドのひとつ、「カンボジア農家支援ファンド」の説明会があり参加しました。まだCAMPFIRE Ownersのことは書いていなかったのでまとめておきます。

CAMPFIRE Ownersの概要

「お金の流れをカラフルに。」というCAMPFIREの理念のもと、2019年に開始した融資型クラウドファンディングサービスです。運営は子会社のCAMPFIRE SOCIAL CAPITALが行います。

少額(1万円)からさまざまな融資案件に参加できます。他社との違いとして、単なる高利回り追求ではなく、さまざまな業種の事業者への貸付を行う多様なファンド展開を掲げます。

ファンドの紹介ページでも、リターンだけでなく、貸付先の事業者の想いが発信されていて、顔の見える投資となっています。

ちなみに、私がCAMPFIRE Ownersで投資しているのは以下の2件です。
「障害者技術育成プロジェクトファンド」の貸付先はNPOです。NPOにも資金を提供しているのはCAMPFIREならではと思います。

カンボジア農家支援ファンド2号
障がい者技術育成プロジェクトファンド

ファンド運営体制

CAMPFIRE SOCIAL CAPITAL代表の加藤義隆さんは日銀OB、今回説明されていた荒木さんは野村證券出身です。コンプラについては、外資のコンプラ部門出身の方や関東財務局の検査部門にいた弁護士さんが担当しています。

CAMPFIREから事業者への貸付金は専用口座で管理され、貸付先が目的外使用していないかなど毎月モニタリングしているとのこと。全体的に、ファンド運営やコンプラ面についてはしっかりしている印象を持ちました。

なお、CAMPFIRE Ownersでは「ソーシャルレンディング」という言葉をあえて使わず、「融資型クラウドファンディング」に統一しているようです。過去に一部の業者でコンプラ事案による行政処分が発生しており、「ソーシャルレンディング」自体にややマイナスイメージがあるからかもしれません。

もともと、CAMPFIREは寄付型クラウドファンディングを通じてよく知っており、信頼している会社です。ただ、寄付と異なり金融商品なので、セミナーやHPを通じて投資家に対して詳しく開示・説明するのは大事です。

投資家側も、匿名組合出資型のクラウドファンディングで新規のファンド業者と関わる時は、利回りの数字だけにつられて安易にお金を出すことのないよう、会社の体制や運営内容をよく確かめる必要があると思います。この点は、以前取材を受けた日経マネーさんの記事にも載っています。

スキーム

われわれ投資家へのファンド募集を行い、ファンドを運営するのはCAMPFIRE SOCIAL CAPITAL(第二種金商業者)、投資家と匿名組合契約を結び、事業者への実際の貸付を行う営業者はCAMPFIRE(貸金業者)という建付けになっています。

例)カンボジア農家支援ファンドのスキーム図
カンボジア農家支援ファンド4号より転載)

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「カンボジア農家支援ファンド」について

現在募集中のカンボジアのファンドについて説明がありました。
自分は「2号ファンド」に投資中で、現在は4号ファンドが募集中です。

貸付先はJC FINANCEというカンボジアの金融機関です。日本人の菊池育朗氏が代表を努め、日本語のHPもあります。

JCFは、銀行融資が受けにくい現地の中小農家に対して、トラクターやコンバインなどの農機の購入資金を貸し付けます(実際はJCFが農家の購入資金を立て替えるイメージ)。農機には動産担保を設定し、貸し倒れリスクを保全します。

JCFは2018年事業開始と歴史が浅いですが、国内の各地域の農機ディーラーと組んだ効率的な融資営業体制や、個々の農地や収穫時期の特性に合わせたきめ細かい資金繰りのサポートなどで、事業を拡大しているとのことです。

農機にはGPSを取り付け、稼働状況を遠隔でモニタリングしています。与信先の農家の働きぶりを把握して与信評価に活かすとともに、万一の場合にはエンジンロックをかけられるとのこと。また、担保価値をできるだけ保全するため、市場の評価が高く、値崩れしにくい日本製の農機(ヤンマーやクボタ)を農家には購入してもらっています。

ビジネスモデルにいろいろな工夫が施されているのが分かりました。

なお、海外向けの融資型クラウドファンディングの場合、為替リスクが大きくなりがちですが、カンボジアは広く米ドルが流通していて、本件もドル建てとなるので、一般的な途上国通貨建のファンドよりは為替リスクは相対的には小さいです。それでも、投資時より円高に振れれば投資金額は目減りするので要注意です。

また、JCFはトラックレコードが少なく、エンドの貸出先も現地の中小農家ということで、リスクは相当高いです。米ドル建ての想定利回り(6%)が純粋に投資として見合うかは判断が難しいです。

ただ、カンボジアの中小農家の金融包摂と農業生産性の向上に貢献できる案件ですし、利回り目的ではなく社会性の観点でみればいいファンドだと思います。今回、貸付先について詳細に説明頂いたので、理解が深まりました。今投資している2号ファンドの返済状況も見ながら、追加投資も検討します。

(参考)
同じく融資型クラウドファンディングで、社会的インパクト投資を掲げているネクストシフト社のファンドでも、本件と同様のカンボジアのJCF社への融資を行っており、償還実績もある模様です。

カンボジア農家さん応援ファンド7号 | Nextshift Fund