セルフ・リライアンスという生き方

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ニッセイ/コムジェスト新興国成長株ファンドの近況

ニッセイAMの「ニッセイ/コムジェスト新興国成長株ファンド」の第5期の運用報告書が開示されました。コムジェストが運用する新興国の成長株ファンドに実質的に投資するアクティブファンドです。

2019年から積み立てていますが、パフォーマンスが継続的に芳しくありません。

まず、設定来5期(2017/10/16~2022/4/15)の累計リターンと、各期の参考指数との比較は以下のとおりです。参考指数はMSCIエマージングインデックス(配当込、円ベース)が使用されています。

設定以来4年半の累計リターンは、
当ファンド:▲6.5%、参考指数:+23.6% と大きく劣後。(分配金は過去出していないので、この数字がそのままリターンとなります)

指数を上回ることが運用目標ではありませんが、期別に見ても、全ての決算期で参考指数に負けており、厳しい状況です。特に、この2年間は続けて指数から10%前後劣後しており、差が大きくなっています。

 

参考指数は信託報酬が考慮されていないので、参考指数のMSCIエマージングに連動するインデックスファンド(eMAXIS Slim 新興国株式インデックス)と比較した直近3年のチャートは以下です。

青が当ファンド、ピンクがeMAXISです。やはり、2021年に入ったあたりから大きく差が付いています。

この理由は、純粋に銘柄選定や国別配分の違いが大きいと思いますが、運用報告書では詳しい説明がされています。

・第4期はブラジル企業が大きく下落。

・第5期はアリババ、ピンアン・インシュアランス、オートホームなどの中国企業が大きく下落。

 

なお、同ファンドは、「セゾン資産形成の達人ファンド」に組入れられているサブファンド「コムジェスト・エマージングマーケッツ・ファンド90」と実際には同一の運用と思われます。

達人ファンドの運用報告会でも、毎年のように「コムジェストの新興国ファンド大丈夫?」という話題が出ます。投資先の業績は全体としては伸びているが、株価がついてきていない、という説明もありました。達人ファンドの方では、継続投資という判断になっています。

 

2022年5月末時点の投資先は33社。上位10社は次のとおりです。

コムジェストの「クオリティ・グロース」(質の高い成長企業)や、厳選投資の運用哲学には共感しています。また、個人ポートフォリオに占めるこのファンドの割合は1.5%前後と小さいので、売却はしませんが、ほぼ5年間指数に負け続けとなると、コムジェストの新興国株式の運用力に疑問符が付くので、一旦積立は停止しました。

達人ファンドの方では、引き続きお世話になるので、ぜひコムジェストさんには頑張ってもらいたいです。