セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

コミュニティとしての投資信託

コモンズ投信の対話イベント、「長期・厳選・対話」に参加しました。
同社としてはひさびさの対面イベント(オンライン併用)で、私は会場参加しました。

イベントでは、コモンズ投信の2つのファンドの運用報告と、コモンズのメンバーとの対話が行われました。

コモンズとの対話~長期・厳選・対話による価値の共創~ - YouTube

今回は、個人的に久しぶりの対面イベントだったということもあり、「コミュニティとしての投資信託」の存在意義を強く再確認しました。動画がアップ済なので、運用報告などの細かいメモよりも、このことについて書いておきます。

コモンズ投信のミッションの説明にこんな文章があります。

私たちは、未来を信じる力を育む場や機会を提供していきたいと考えています。お客さま、投資先の企業、寄付先となる社会起業家、障がい者スポーツ団体、パートナーである販売会社そして当社のメンバーがコモングラウンド(共有地)に集まり、次の時代を切り拓いていく。そんなパワースポットのような場となり、明日への希望につなげていくことが、コモンズ投信の存在意義と考えています。
コモンズ投信 企業理念 より)

運用会社、受益者、投資先企業、販売会社、あるいは寄付先といった、投資信託に関わる人々が、ひとつの場に集い、価値観を共有し、長期投資を通じてよりよい未来づくりにコミットしていく。あるいはお互いに学び合い、よい影響を与えあう。その相互作用を通じて、新たな価値が生まれ、経済的、社会的なリターンが高まる。

投資信託は、「信じて託す」という字の通り、多くの人が少しずつお金を出し合い、運用会社に託して、企業に投資する、本来的にソーシャルな金融です。コモンズ投信が「コモングラウンド」と表現しているように、投資信託は、金融商品でありながら、単なる金融商品の枠を超え、人々が集い、価値を共創するコミュニティやプラットフォームとしての機能を果たせるものだと思います。以前からずっと感じていたことではありますが、今回の対話イベントに参加して、そういう思いを新たにしました。

「長期・厳選・対話」は「面白い!」という渋澤さんの言葉がありましたが、同じ価値観を共有する人と交わることは楽しいし、投資を長く継続する動機付けになります。だからこそ、NISAやiDeCoのような制度面だけでなく、コモンズ投信のような「場づくり」にこそ、長期投資を普及させるヒントがあるような気がします。投資信託を扱う会社は、ぜひこのような場づくりに積極的に取り組んでほしいと思います。

金融商品なのだから、「コミュニティ」や「プラットフォーム」、あるいは「対話」なんてどうでもいい、パフォーマンスが全てだろう、という方もいるでしょう。もちろんパフォーマンスは大事です。(念のため言うと、コモンズのアクティブファンドは長期でしっかり成果を上げています。) ただ、ファンドのパフォーマンスは、運用会社と受益者の投資哲学の共有に基づく安定した資金流入や、投資先企業と時間軸を同じくした上での価値向上のためのエンゲージメントなど、実は投信のコミュニティ的な機能や継続的な対話によって支えられている面も大きいことを忘れてはいけないと思います。

懇親会まで参加して、コモンズ投信のメンバーの方々、受益者の仲間ともひさびさに楽しく盛り上がりました。楽しかったです。

(渋澤さんのブログ)