セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

コモンズ30ファンドの長期パフォーマンス

コモンズ投信のコモンズ30ファンドの積立を始めてまる7年になります。

コモンズSEEDCapや社会起業家フォーラムなど、同社の寄付の取り組みについては紹介することが多いのですが、2009年1月のファンド設定から12年超経ったということで、今回は純粋にファンドの数字的な部分である長期のパフォーマンスを見てみました。

基準価額推移・リターン

設定来(2009年1月19日~2021年3月31日)の基準価額の推移です。
コモンズ30ファンドのHPに載っているとの同じデータです。

3月末時点の基準価額は36,962円。過去の税引前分配金を分配時に再投資したものとして算出した、分配金再投資ベースの想定基準価額は40,349円です。
分配金再投資ベースの設定来騰落率は+303.49%
(緑のラインです。実際の基準価額は紫のライン。)

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なお、同期間の配当込TOPIXの騰落率は+212%です。
(2009年1月19日:987.41 → 2021年3月31日:3,080.87)
コモンズ30ファンドがかなりアウトパフォームしています。

 

続いて、過去5年、過去10年の基準価額推移を、配当込TOPIXをベンチマークとし、設定時期の古い「eMAXIS TOPIXインデックス」と比較してみました。コモンズ30ファンドは同じく分配金再投資ベースです。なお、上記の設定来、こちらの5年、10年の騰落率の数字はコモンズ投信公表の月次報告書でチェック済です。

・過去5年

コモンズ30ファンド:+83%
eMAXIS TOPIXインデックス:+59%

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・過去10年

コモンズ30ファンド:+207%
eMAXIS TOPIXインデックス:+168%

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5年、10年ともに、コモンズ30ファンドが上回っています。チャートの形状は類似していますが、上げ下げを通じて少しずつeMAXISと差を付けていることが分かります。

期別リターン

次に、コモンズ30ファンドの決算期別に、配当込TOPIXとの騰落率を比較しました。

配当込TOPIXのデータは、コモンズ30ファンドの運用報告書と、東証の統計月報・JPXデータクラウドの日次過去データに基づき作成しています。

12期の運用期間中、7勝5敗です。1期の大勝ちと、5期の負けが目立つ以外は、あまり大きな傾向はないようです。

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シャープレシオ

モーニングスターのデータより、年率リターン、リスク、シャープレシオは以下のとおりです。5年、10年ともに、同一ファンドカテゴリ(国内大型ブレンド)中ではトップクラスで、リターン/リスク比でみても優秀です。

・5年
年率リターン:12.87%、リスク:15.52
シャープレシオ:0.83(294本中2位

(参考)eMAXIS TOPIXインデックス:0.64
    カテゴリ平均:0.56

・10年
年率リターン:11.87%、リスク:15.63
シャープレシオ:0.76(163本中2位

(参考)eMAXIS TOPIXインデックス:0.62
    カテゴリ平均:0.58

縦軸にリターン、横軸にリスクを取ってプロットしてみました。 左上にあるほど望ましいファンドと言えます。30社程度と投資先を絞り込んだ上でも、TOPIXと同等か小さいリスクで相対的に高いリターンを出しています。

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ちなみに、5年、10年とも「国内大型ブレンド」カテゴリのシャープレシオ1位はアセマネOneの「One 国内株オープン(自由演技)」というファンドでした。20年以上運用実績がありますが、トップダウンアプローチの運用スタイルで、コモンズ30ファンドと全く異なります。アクティブファンドは多様性が面白いところです。

ポートフォリオ

2021年3月末時点の投資先は31社です。
組入銘柄(投資先企業一覧)|コモンズ30ファンド

上記は7月末現在30社で、以降クラレが売却され、エムスリー、KADOKAWAが加わり31社となりました。

組入上位10社です(月次運用レポートより)。基本長期保有なので投資先の入れ替えはかなり少ないです。

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コモンズ30ファンドは、時代を超えて持続的に成長が見込まれる約30社に集中投資し、長期保有するアクティブファンドです。財務的な価値=収益力だけでなく、競争力、経営力、対話力、それらを支える企業文化という「見えない価値」をしっかり分析して強い会社を選び、さらに対話を通じた見えない価値の可視化によって企業価値向上を目指します。

ブレない運用方針のもとで、長期で見てもいいパフォーマンスを示しています。相場環境は時代により変わるので将来は分かりませんが、今のところ満足のいく結果を出して頂いていると思います。30社程度の集中投資でも、リスクを抑え、中長期で運用成果を出せるという一定の証左になっているのではないでしょうか。

【過去記事】