コモンズ投信のコモンズ30ファンドに積立を初めて来年でまる10年になります。
アクティブファンドのパフォーマンスの良し悪しは半年や1年程度で判断できるものではなく、長期で見る必要があります。
ということで、コモンズ30ファンドの長期の運用成果をアップデートしました。2021年にも同様のデータを調べました。
同ファンドが参考指数としているTOPIX(配当込)と比較しています。
設定来
設定来(2009年1月19日~2023年7月31日)の基準価額の推移です。
2023年7月月次レポートより転載。
薄い黄緑のラインが分配金再投資の基準価額です。
以下のとおり、設定来約14年6ヶ月ではTOPIX配当込を大きく上回ります。
・コモンズ30ファンド 設定来騰落率 +408%
2023/7/31 基準価額 46,574円
(分配金再投資ベース 50,842円)
・同期間のTOPIX(配当込) +291%
2009/1/19 :987.41 → 2023/7/31:3,861.80
※分配金再投資基準価額は私の方で算出。ウエルスアドバイザーさんのデータでチェック済。
※TOPIX配当込はこちらから入手。
統計月報 | 日本取引所グループ
配当込みTOPIX | JPXデータクラウド
次に、10年、5年の比較です。
※投資信託間での比較とするため、TOPIX配当込の5年は「eMAXIS slim国内株式(TOPIX)」、10年はslimが未設定のため「eMAXIS TOPIXインデックス」の基準価額で代用。
10年リターン
・コモンズ30ファンド +186%
・eMAXIS TOPIXインデックス +146%
5年リターン
・コモンズ30ファンド +58%
・eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) +49%
5年、10年ともにTOPIX配当込をアウトパフォームしています。ただ、5年では大差というわけではありません。
各期の騰落率
コモンズ30ファンドの決算期(14期)ごとに、TOPIX配当込のリターンと比較ました。年によりまちまちですが、8勝6敗となっています。
相場環境が変わる中で、毎年常に勝ち続けるアクティブファンドはおそらく存在しません。
したがって、半年や1年のパフォーマンスだけを取り出して、「このファンドは儲かる」とか「このファンドはインデックスに負けているからダメ」と語るのは止めた方がいいです。(メディアの記事でもかなり多いです。)
シャープレシオ
ファンドの成果はリターンだけでなくリスクも考慮しないといけません。(リターンだけなら、例えば中小型のグロース系などで、とんでもない成果を上げているアクティブファンドもたくさんあります。ただしそのようなファンドは同時に標準偏差も非常に大きかったりします。)
リスクも勘案したシャープレシオを拾ってみました。左上にあるほど優れています。
コモンズ30ファンドは、インデックスよりも小さいリスクでリターンを上げているのが強いです。
・シャープレシオ(10年)
コモンズ30ファンド:0.72
eMAXIS TOPIXインデックス:0.63
※ウエルスアドバイザーのデータ。「カテゴリ平均」はコモンズ30ファンドが属する「国内大型グロース」の平均値。
・シャープレシオ(5年)
コモンズ30ファンド:0.56
eMAXIS slim国内株式(TOPIX):0.54
まとめ
以上、5年、10年単位では、コモンズ30ファンドはリターン、シャープレシオともに配当込TOPIX連動のインデックスファンドを上回っています。
コモンズ投信が掲げる「30社前後への集中投資」であっても、強い会社をきちんと選別すれば、アクティブ運用が成果を上げられることを今のところは実証できていると思います。
もちろん、将来の成果が保証されるものではありません。5年では両者の差は小さくなっており、引き続き見ていきます。