セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

コタ(4923)の企業分析 @こぶね会

長期投資家の集まり「こぶね会」で、投資先のコタ(4923)の企業分析について発表させて頂きました。

「こぶね会」は、「おおぶね」シリーズと奥野一成さんのファンの会です。月に一度の勉強会で、月次レポートのレビューや、個別企業やテーマを選んで発表と意見交換などをやっています。

こぶね会 (@kobune_KVIC) / X

コタは「おおぶね」の投資先ではないですが、好きな会社なので取り上げました。

・創業動機、企業理念・ビジョン
・長期業績推移と財務
・ビジネスモデル
・付加価値、競争優位性、長期潮流
・競合比較(vsミルボン)
・リスクと課題

このあたりを15ページぐらいにまとめました。会社サイト、決算説明資料、アナリストレポート、銘柄スカウターなどを拝借しまくりましたが資料づくりは結構大変でした。ただ、調べる過程で理解が深まったのでよかったと思います。

コタの強み

今回改めて思ったのは、やはり、コタの強さの源泉は、「美容室専売」に特化し、あくまで美容室の繁栄を追求し続けていることだと思います。

同社は「店販」と「旬報店システム」という2つの特徴的なビジネスモデルによって、複合的な優位性を維持しています。

・付加価値の高い製品を高価格で提供(価格競争の回避)
・美容室にとってのスイッチングコストの高さ
・販管費の低さ(市販品のようなマーケティング不要)
・高精度の販売予測&少ない在庫ロス(高資本効率)
・長い商品ライフサイクル(開発コストの回収効率が高い)
・美容室の声を反映したマーケットインの製品開発(共同開発など)

競争力のベースとなる製品自体も十分に差別化できています。製品は全成分表示がされていますが、その製法はブラックボックスで、簡単には模倣が困難です。

それらが、25期連続増収という安定成長、化学メーカーとしては高い営業利益率やROE、競合(ミルボンなど)と比較した収益性の高さにつながっていると考えます。

 

勉強会メンバーからは様々な意見が出ました。
・店販の利益率はどのくらいか? 
→ マージン3割ぐらい。(シェアードリサーチのレポートより)

・営業方法はどうなっている? 
→ 美容室に商品を卸すチャネルは直販と代理店経由があります。リクナビによると美容室への営業コンサルを行う営業第二部と、代理店向けの営業第一部があるようです。美容室へのコンサルティングはコタの要なので、人材育成には関心があります。

・平均年齢が結構低いのが気になった。(23.3月期では34.6歳)
→ たしかに化学メーカーとしては低めでしょうかね。

・カラー剤の売上比率が低いのはいいと思う。(髪を傷める、グレイヘアの流れから女性でも頻繁にカラーをしない人が増えている)

・この会社が上場している意味は? 
→ 美容室の信用アップ、人材採用上のメリット?

・男性向けの商品を増やす、男性をターゲットにしてもよいのでは?
→ コタのコーポレートスローガンは「女性は髪からもっと美しくなれる」です。メンズ向けの市場をどう考えているのかは機会があれば聞いてみたいです。

過去5年平均の売上高成長率は年5.5%、営業利益は年9%と、社歴からすると十分な成長をキープしていると思います。美容室約26万軒のうち、コタの旬報店はわずか0.6%(1,600店)とのデータもあり、成長余地も十分にあります(逆に言えばまだまだ知名度は低い)。美容室に寄り添いながら、無理なく着実に育って頂けることを期待しています。