鎌倉投信の「結い2101」の毎月積立を初めて9年目に入りました。運用状況を四半期ごとにまとめています。
データは、鎌倉投信の月次運用報告「結いだより」、モーニングスター、投信協会の公表情報に基づきます。
(前回記事)鎌倉投信・結い2101サマリー(2021年3月末)
パフォーマンス
過去3年の基準価額推移です。
配当込TOPIXの代わりに「eMAXIS TOPIXインデックス」と比較しています。
※2018/6/29=100として指数化。
・2018/6/29~2021/6/30の騰落率
結い2101 +9.8%
eMAXIS TOPIXインデックス +19.0%
2020年春先のコロナショック以降、ほぼ一本調子で指数が上がり続けているため、現金比率の高い「結い2101」は置いていかれています。
4月の運用報告会では、大型株中心の相場ということもあり、絶対リターンではマーケットと差が付くのはある程度仕方ないとの話がありました。
一方で、しつこく書いているとおり、「結い2101」の特徴は、リスク(基準価額の変動率)の低さにあります。参考まで、モーニングスターのデータから、過去3年、過去5年のリターン(年率)と標準偏差(年率)をプロットしてみました。(単位は%)
※モーニングスターのファンドカテゴリ上、結い2101は「国内小型グロース」に分類されています。
結い2101の標準偏差は、2021年6月末現在、同一カテゴリ82本中2位(3年)、68本中1位(5年)、シャープレシオは82本中29位(3年)、68本中29位(5年)でした。「鎌倉投信はいい会社に投資しているがリターンが低い」という言い方は、ファンドの一面しか表しておらず、リスクも含めて評価する必要があると思います。
鎌倉投信の公表値では、6月末時点での5年のリターン、リスク(年率)はそれぞれ7.1%、9.4%で、長期の運用目標である信託報酬控除後リターン4%以上、リスク10%以内を満たしています。(モーニングスターと若干数字が異なるのは計算方法が違うためと思われます。)
純資産総額・資金流出入
6月末時点の純資産総額は487億円。この1年では420億円から約16%増えました。
過去2年の、毎月の新規設定額から解約額を引いた月次資金流出入額です。(投信協会データより)
やや出入りがありますが、ほぼ安定的にお金が入ってきています。
口座開設者数
鎌倉投信に口座開設した人の数、そのうち積立(定期定額購入)口座の数の推移です。
6月末時点で21,479人です。積立比率は約52%。
ポートフォリオ
投資先は変動ありません。上場62社、非上場6社(債券保有)の合わせて68社です。
ファンドの株式比率推移です。2020年は基準価額の変動率が高まり、株式を50%台前半まで下げましたが、今年に入り、リスクが下がってきたため、徐々に上げています。6月末現在で63.3%です。(残りはキャッシュ34.5%、債券2.2%)
投資先上位10社です。
自分が個別でも株式保有しているLITALICO、ユーグレナが入っていました。LITALICOの株価は強く、私は2019年4月に投資したのですがそれから3倍以上になっています。
トピック
・第12回受益者総会
9/25にオンライン開催されます。投資先から、アミタの熊野会長、トレジャー・ファクトリーの野坂社長がご登壇されるそうです。
・「結い日和」&「結いだより」より
運用の考え方、投資先企業の活動など、結い2101と「いい会社」を学ぶコンテンツを提供してくれています。
個人的に最近参考になったのは、結い2101の運用ポリシーのひとつ「等金額投資」についての記事。
運用コラム 等金額投資 ~複雑さと距離を置く~ | 結い日和
結い2101は、なぜ、規模(時価総額)の大きい会社も小さい会社も原則同じ金額ずつ投資しているのか。「いい会社には優劣はなく等しくいい会社だから」という理由に加えて、「シンプルな運用を貫く方が望ましい」という判断があると説明されています。
もう一つは、等金額投資の話ともつながるのですが、鎌田社長のESG投資についてのシリーズコラムです。
#ESG投資と「結い 2101」 - 結い日和 | 鎌倉投信
世間一般で言われる「ESG評価」と、鎌倉投信の、会社の「個」や「本質」を重視する企業評価がどう違うのか理解できます。また、イメージしにくい「G」や「S」を、組織のあり方や人の関係性の視点から読み解いていて、とても読みがいがあります。受益者ではない方にもご覧頂きたいです。