今年「米国株式長期厳選ファンド」の積立を始め、ご縁を頂いた農林中金バリューインベストメンツのファンドマネージャー、奥野一成さんがいつも言うことがあります。
「売る必要のない会社しか買わない」
「投資とは株券の売り買いではなく企業のオーナーになること」
社会の課題を解決し続け、私たちの生活を豊かにしてくれる強い会社の価値は、持続的に成長していきます。株価は長期的には企業の価値に収れんするので、株主としてはそのような構造的に強い会社を選べば、あとはただ持ち続ければいいだけです。
もちろん、株式は現金化しない限り含み益のままなので、個人の場合には、相続を考えなければ、実際にはライフサイクルのどこかで売却することになるでしょう。ただ、半永久投資の考え方そのものは、株価ではなく企業の価値に長期でお金を託すという意味で投資の本質だと思います。
投資信託を通じて、長期投資を実践する多くの運用者を知り、いい企業に投資する中で、このような本質的な考え方に共鳴できるようになってきました。
私個人としては、いい企業選びや価格判断をプロに任せられること、リスク分散や積立のメリットが享受できることなどから、リーマンショック以降はほぼ投資信託にのみ投資してきました。個別企業の株式はもう10年近く保有していません。
そんな中、最近は、株主になって長く関わりたい会社もいくつか出てきました。「持続的に価値が成長する会社」を選ぶのは簡単なことではないですが、来年は久しぶりに個別企業に投資する機会があるかもしれません。
昔の自分にとっての株式投資は、世間と同じく「●●株で儲けました」「▲▲銘柄で損しました」というもの。
今の自分が考える本来の株式投資は、「■■株式会社の株主になりました」です。