農林中金バリューインベストメンツ(NVIC)のオフィスで、「おおぶね」のメンバーズカンファレンスに参加しました。
いつもはオンラインですが、今月は限定枠に運よく当選。ひさびさに、奥野一成さんはじめ運用メンバーの方々の話を直にお聞きしました。
今回は、2月の米国出張の報告ということで、訪問した計10社の中から、投資先であるCopartを取り上げました。同社はサルベージ(廃車)オークションのトップ企業です。
競合他社のIAAが、産業機器オークション大手のリッチーブラザーズに買収されたことを受けて、Copartの競争優位性にどのような影響があるのか、先方とディスカッションした内容の紹介でした。
受益者限定なので詳しく書けませんが、さまざまな企業を見る上でも応用できそうな、勉強になったポイントは2つ。
・参入障壁が複合的に築かれているか。
・バリューチェーンの中でどのくらい強く、価値を取れるポジションにいるのか。
「お客が弱いほど儲かる」という話がありましたが、どんなビジネスにも当てはまる真理だと思いました。ポーターの「売り手 or 顧客の交渉力」を想起しました。
結論としては「現時点ではCopartの優位性に変化なし」との判断です。「構造的に強靭な企業」が今後も強靭であり続けるのかを確認するプロセスの一例として学びになりました。メンバーズカンファレンスでは、その辺のファンドでは間違いなく聴けない話がたくさんですので、詳しく知りたい方はぜひ受益者に。
そんな「おおぶね」がダイヤモンド・ザイの「投信グランプリ2023」で米国株の優秀賞を受賞しました。リターンだけでなく、リスクの低さ、下方耐性の強さが評価されています。集中投資の成果が実証され、うれしい結果です。
これに関して奥野さんが、「数字は大事だがあくまで過去の数字。重要なのは投資哲学と戦略、それを支える組織。そこがあって初めて数字が持続的になる。」と話されたのには同意でした。われわれ投資家がそのような視点で運用会社をしっかり選別することが、結果的に日本の資産運用業界の質的向上につながる、その通りと思います。
やはり対面のイベントはいいですね。日頃聞いていることも、直接的に受け取ることができ理解が深まります。
懇親会も楽しかったです。ありがとうございました。