サポーターになっている、認定NPO法人 かものはしプロジェクトのイベントで、REBIRTHの代表・沓名美和(くつな みわ)さんのお話を聞きました。
かものはしの共同代表・村田早耶香さんを交え、「人の力になるためのものづくり」をテーマにしたセッションでした。
かものはしプロジェクトのことは過去にも書いているので、今回は、ゲストの沓名さんの取り組みをご紹介します。
沓名さんは、カンボジア紛争で武器として使われた銃弾の薬莢(やっきょう)を溶かした真鍮を原料にして、ネックレスなどのジュエリーを作り、販売しています。
そのブランドが「REBIRTH」です。
沓名さんは、もともと東アジアの美術を専攻されていて、アジア各国を旅する中で、訪れたカンボジアで偶然、機関銃の薬莢を拾いました。その時に、戦争の記憶を平和につながるかたちで伝えられないか?と思ったのが、この事業を始めたきっかけです。
soarさんの記事で詳しく紹介されています。沓名さんを知ったのもこの記事がきっかけでした。
沓名さんからは、「再生」を意味するブランド名に込めた思いをお聞きしました。
REBIRTHの理念は "Peace of mind"、平和につながるものづくり、です。
薬莢という戦争の負の遺産を、消し去ることなく形を変えて、次の世代につながるジュエリーという美しい財産に生まれ変わらせます。
また、REBIRTHの商品は、カンボジアの若者が現地の工房で製作しています。以前、クラウドファンディングでも支援を集めた「smileプロジェクト」では、沓名さんが絵を教えている現地の子どもたちのデザインを、商品に取り入れました。
REBIRTHは、単にモノとしての薬莢をアクセサリーに再生するだけではありません。
ものづくりを通して、カンボジアの若者や子どもたちに、クリエイティブな仕事やアートに関わる場をつくる、働き方や子どもたちの夢も再生するブランドです。
実際に現地の工房で働いている若者は、デザインから完成品まで担当できるようになり、職人として成長しています。
とてもポジティブなストーリーを感じました。
イベントの会場では、商品の現物を見せてもらいました。スーツにも合わせられるブラックのブレスレットを一つ購入しました。
“War is over.” との刻印が入っています。
カンボジアに行ったことはないですが、これがもともとは実際に使われていた機関銃の弾かと思うと不思議な気がするのと同時に、未来への希望も感じます。真鍮なので、時間とともに風合いに変化が出てくるのもいいそうです。
実際の製作工程の動画を見ましたが、大量の薬きょうを高熱で溶解し、成型し、製品にしていく作業はかなりの手間を要します。
ビジネスとしてより大きく回していくために、多くの人に知ってもらい、商品を手に取ってもらいたいと話されていました。
沓名さんの取り組み、注目しています。
【過去記事】
かものはしプロジェクトの昨年7月の報告会。
・認定NPO法人かものはしプロジェクト事業報告会
認定NPO法人ACEのインドでの取り組み。
・認定NPO法人ACEからインド産コットンのタオルが届きました
2016年のエシカル消費&フェアトレード講座のレポート。
・フェアトレード・コンシェルジュ講座 第8回/ピープルツリー(フェアトレードのある暮らしにSWITCH)