セルフ・リライアンスという生き方

自分も社会も豊かにできるお金の使い方について。日々の投資や寄付の記録を綴ります。

りそなアセットの「日本株式インパクト投資ファンド」

りそなアセットマネジメントが、上場企業(国内株式)を対象としたインパクト投資を掲げる投信を6月に設定しました。

りそなアセットが「日本株式インパクト投資ファンド」を6月11日に設定、国内20〜50銘柄に厳選投資| モーニングスター

最近、公募投信の中でも「インパクト投資」をうたうファンドが増えてきたようです。
最初の月次レポートが開示されたので中味をチェックしました。

ファンド詳細│投資信託│りそなアセットマネジメント

企業価値増大と社会的インパクトの両方を追求

本ファンドは、「企業価値の持続的な拡大」と「社会的インパクトの創出」を両立する企業を厳選して投資する、としています。

日本における社会的課題の解決にビジネスとして取り組み、持続的に企業価値を拡大させるとともに、社会的インパクトを創出することが期待できる銘柄を厳選して投資を行います。(目論見書より)

企業の組入にあたっては、経済的リターンだけでなく「社会的インパクト」も考慮すると明確に記載されています。

投資の判断および評価には、ファンドの収益性だけでなく社会的インパクトも基準に用いられます。

りそなアセットのインパクト投資についての考え方がこちらに載っていました。

りそなローカルインパクト投資への道(第1回)|運用会社の日常|りそなアセットマネジメント

社会的インパクトを定量的・定性的に評価

インパクト投資というからには、投資によって生み出された、あるいは投資先企業が創出したインパクトを測定・評価することが条件になります。
この点についても明記しています。

投資先企業に対しては、企業価値の拡大と社会的インパクトの創出の促進を目指し、継続的にエンゲージメント(対話)を行うとともに、社会的インパクトの創出状況について、定量的・定性的に評価を行います。

ぜひ、投資先とのエンゲージメント活動の内容や、それぞれの投資先企業がどのようなインパクトをもたらしたのか、レポートなどで詳しく開示してもらえると有難いと思います。

社会課題の設定

本ファンドは、企業価値の評価に加えて、投資を通じて解決すべき社会課題として設定した以下の2つの大項目と小領域に基づき企業を評価し、ポートフォリオに組み入れます。マンスリーレポートには、それぞれの内容、目標とする姿が細かく記載されています。インパクトの評価もこの項目に応じたものになるのでしょうか。

1.持続可能で強靭な生活環境をつくる
 次世代まちづくり、ライフライン機能の維持改善、防災・減災、食糧生産の産業化・信頼性向上、持続可能なエネルギー利用

2.あらゆる人が住みよい社会をつくる
 家事育児の負担軽減、教育の多様化・充実、持続可能な医療・介護、中小企業の経営課題改善、個人のエンパワメント

運用体制

具体的な運用担当者の氏名や経歴などは開示されていません。
ただ、日本株の運用チームと、責任投資(ESG)のチームが協働して運用する、と書かれています。

責任投資|会社情報|りそなアセットマネジメント

ポートフォリオ

月次レポートによると、現在の組入企業は24社です。まだローンチしたばかりで純資産も少ないため、徐々に増えていく可能性があります。ただ、モーニングスターの記事でも「20~50社程度」とあり、投資先は厳選するようです。

2021年7月末の投資先上位はこちらのとおりです。

ソラスト、カチタス、オイシックス・ラ・大地、日本M&Aセンター、日立と続きます。中小型の成長企業から大型株まで混じっています。

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インパクト評価・開示に期待

目論見書の中で、社会的インパクトを定量・定性的に評価することと、インパクト創出を投資のリターンの基準として明確に位置付けたのは踏み込んだファンドだと思いました。「インパクト投資」を掲げる以上、本来当たり前ではありますが。

一方で、上場企業が対象の投資信託の場合、市場で流通している株式を取得するに過ぎないことと、特定のプロジェクトに限定して出資するわけではないため、このファンドそのものによる直接的な社会的インパクトを測るのは難しい面があると思います。りそなアセットが、どのような形でインパクト評価を行うのか注目します。

例えば、コモンズ投信や鎌倉投信の投資先でもある、すららネットの「インパクトマネジメントレポート」のロジックモデル構築のような取組を、運用会社と企業が対話を通じて進めたりしたら面白いと思いました。

上場企業初のインパクトレポートを発行したすららネットCEO湯野川さんに聞く 「インパクトレポートで、事業を可視化、成長させる。」|SIIF|note

(追記)
冒頭のモーニングスターの記事では、「販売会社はりそな銀行」とありますが、りそなアセットのページでは、2021/8/27現在「現在お取扱いしている販売会社はありません。」となっており、まだ一般には販売されていない?模様です。