セルフ・リライアンスという生き方

投資信託を中心にいい会社、いい事業にコツコツ長期投資。 社会とつながるソーシャルな投資や寄付も実践中。

ひふみ投信・ひふみアカデミー at レオス・キャピタルワークス(2018年11月)

ひふみ投信の月例の運用報告会、ひふみアカデミーに参加しました。

最近のやや荒れたマーケットの動きをどうとらえているか、中長期的にどう対応していくか、詳しく説明がありました。今後のひふみ投信を考える上で重要な内容でした。

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ナビゲーターはシニアアナリストの高橋さん。2001年に興銀入行、三井住友アセット、朝日ライフなどでの主に外国株式の運用業務を経て、今年6月にレオスに入社されました。

10月の運用の振り返り

10月の急落はひふみ投信には厳しい展開でした。一方、外国株式はいいタイミングでポートフォリオの入れ替えができ、影響を多少回避できたようです。

<藤野さん>

・10月の騰落率は、TOPIX(配当込)▲9.41%に対して、ひふみ投信は▲12.17%。1ヶ月の下げ幅としては、運用開始以来最大。

・分類別にみると、すべて下がっているが、内需、外需ともにグロースが大きく下落(とくに内需)。→ このグロース下落の件が今回のアカデミーのポイント。

・外国株(Amazon、VISA、マイクロソフト)は、9月末から10月初めにかけてほぼ半分に減らし一旦現金化した。その後、米国のメガネや靴の企業、中国の教育関係など中小型株に再投資している。
※上記3社のうち10月末の組入上位10社に入っているはマイクロソフト(9位)のみ。Facebookは全売却。

・国内株では5G関連の企業への投資をやや増やした。アンリツ、協和エクシオなど。

グロース相場からバリュー相場への転換?

ひふみ投信はグロース株を中心にリターンを上げてきました。最近の相場変調が、グロースからバリューへの大きな流れの入り口なのか、という興味深い論点。

<高橋さん>

・2007年頃からずっとグロース優位の局面が続いてきたが、いよいよグロースからバリューへの転換が起こるか?がマーケット関係者の共通の関心事。

・金利上昇局面ではバリューが相対的に優位とされているが、長期データをみるとそう単純ではない。1977年以降の米国のデータで政策金利が上昇した9期間のうちバリュー優位だったのは4回のみ。

・リーマンショック前と今ではバリューセクターを取り巻く環境が大きく変わった(エネルギー:資源価格低迷、金融:低金利による収益低下 etc.)。かつてと比較して、バリューセクターが構造的に利益を上げにくくなっている。

・「株価 = PER × EPS」
 ごく簡単に言えば、バリューは低PERの解消(PER上昇)にかける投資、グロースはEPSの上昇にかける投資。

・そもそも、バリュー運用=ただ割安なものに投資するわけではない。割安なのには必ず理由がある。その原因が解消されるカタリスト(きっかけ)を見つけ、それが1~2年以内に実現する確度の高い企業を選ぶ必要がある。バリューのみでポートフォリオを組むのはグロースよりはるかに難度が高い。

<藤野さん>

・運用者は大きくグロース教とバリュー教に分かれる。成長か?割安か?
リーマンショック以降、米国中心に大きなバリューファンドが次々クローズし、バリュー教団は消滅の危機にある。しかし、一方向のことがあまりにも続いた後には、その反動も想定しないといけない。

・10月のグロース売りが一過性のものか、今後も続くのかは、検証して受益者にも提示する必要がある。なぜなら、グロース相場からバリュー相場に本当にシフトした場合には、ひふみが今後も負け続ける可能性があるから。

・現段階では、グロースからバリューに転換したとは考えていない。実際に、11月は短期的にグロースへの巻き戻しも起きている。

・局面に合わせて大型・バリューの比率を上げるなど従来同様にポートフォリオの調整はするが、当面は中小型・グロース中心の現状の運用を維持する方針。

補足

質疑応答の中で注目した藤野さんのコメントです。

・最近チーム内で議論しているのは、中長期的に景気の減速局面に入ったのではないか、ということ。「景気は株に聞け」というが、今後もグロース株が売られたらそれは景気後退のサインかも。経済の状況を見極めながら、攻撃的か、守備的か、ポートフォリオを柔軟に変えていきたい。

・Amazonなどの外国株を一部売却した理由は、リターンを(為替も含めて)ある程度取れたのと、海外の企業調査が進展し、FANG以外に中小型株で投資したい企業が出てきたため。なお、外国株については、よりよい開示方法を検討中。

 

運用報告会やブロガーイベント以外で、レオスのリアルのセミナーに参加したのは数年ぶり?でしたが、会社が大きくなっても、運用者として考えていることを受益者に丁寧に伝える姿勢は変わらずです。

起こっている事象を、目先の相場どうこうではなく、俯瞰的、長期的な視点で分析し、レオスの運用とどう関わってくるのか、という観点で伝えてくれるので納得感が高いです。

ファンド規模が大きくなり、かつてのように機敏にポートフォリオを変えるのは難しくなっています。市場も景気も、ここ数年来の雰囲気とは変わってきた感があり、大きなひふみがどう対応していくか見たいです。

運用部のメンバーも層が厚くなり、チーム力がますます増した印象でした。情報収集だけでなく、運用会社への信頼度を確認するためにもセミナーの機会を活用したいものです。

来月は、高橋さんと同じく6月に入社した中国人アナリスト、韋(ウェイ)さんがナビゲーターを務めます。ちょうど中国ご出張中でしたので、中国の今についても面白いお話が聞けるのではないでしょうか。