セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

「セゾン共創日本ファンド」の第1期・運用報告会に参加しました

今年2月に運用開始したセゾン投信の「セゾン共創日本ファンド」。初の運用報告会に会場参加しました。ひさびさに中野さん(今はセゾン投信の会長ですね)ともお会いできました。

中野さんの冒頭スピーチ、山本さん率いる運用チームの運用報告、投資先(荏原)との対談、質疑応答、の流れでした。

私は設定時以来保有しています。このファンドの運用理念や哲学については下記記事も。

運用報告

7月末時点の投資先は下記です。(配布資料より)

「世界で勝てる日本企業を応援する」との言葉のとおり、グローバルに競争力やシェアを持つ大型株が中心です。ポートフォリオの海外売上比率は約6割と高く、日本企業への投資でも実質国際分散投資ができている、との話がありました。

投資先の中には、ヤクルト、ローム、三井不動産、花王、・・・など、海外を中心に業績好調な企業が多くあります。山本さんは、「令和の高度成長」と表現しましたが、日本株=低成長、という先入観にとらわれず、個々の企業を見ていくことが大事です。

また、長期投資のファンドなので、ESGの視点は大前提です。カーボンニュートラル、多様な人材の活用、ガバナンスの改善は、このファンドの運用の柱であるエンゲージメントでも大きなテーマになります。

個別の投資先として、AGCとユニ・チャームが紹介されました。
AGCとのエンゲージメントでは、上場子会社である伊勢化学工業のガバナンス(指名報酬委員会の設置提案)や、そもそもROEが低い同社株の保有見直しについて提案、対話しているとのこと。こういう話は勉強になるのでどんどん開示して頂きたいです。

なお、運用チームは、ファンドマネジャーの山本さん、アナリストの大月さん、根岸さんの3人です。

※まだ運用期間が短いのでパフォーマンスの話はありませんでしたが、運用開始から現在(2/1~9/9)までの基準価額推移を参考に載せておきます。青が当ファンド、ピンクがeMAXIS slim国内株式(TOPIX)です。純資産総額は9/12現在で約24億円です。

投資先・荏原製作所との対談

後半は、荏原製作所のIR・徳永さんと、中野さん、山本さんの対談でした。

荏原は株主でもあるので、直接話が聞けてよかったです。沿革、理念、事業内容、長期ビジョン(E-Vision2030)とマテリアリティまで一通り説明頂きました。

荏原は山本さん的に非常に思い入れがある会社で、共創日本ファンドの投資先選定にあたり真っ先に挙がったそうです。自分も勉強中ですが、安定性と成長性のバランスのとれた事業ポートフォリオ、ROICなど資本効率重視の経営、ガバナンス強化の取り組みなど、トータルで強い会社だと感じています。2000年代後半からのガバナンス改革の流れと、営業利益率の向上が見事に連動しているのは興味深かったです。

荏原についてはこちらにも少し書きました。

一方で、メーカー的なプロダクトアウトの思考から、真のマーケットインな会社に脱皮できるかが課題、との話がありました。来期からの風水力セグメントの見直しもその流れですね。

「IRは投資家と経営者を橋渡しする役割。開示だけでなく対話が重要。」という徳永さんの言葉は印象的でした。帰りがけに個別にお話させて頂きました。丁寧に対応頂いてありがとうございました。

 


全体を通して、ファンドの考え方がよく伝わる運用報告会でした。個人が成長する企業にお金を回すことでインベストメントチェーンに参画し、対話を通じて日本全体をよくしていこう、という考え方に共感しています。実はまだ積立はしていないので、検討します。