セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

セゾン投信の第11期運用報告会

セゾン投信の第11期の運用報告会に参加しました。2/12の東京会場が満席になってしまい、横浜の部に参加。

例年どおり、中野社長のお話、運用部長・瀬下さんの運用報告、セゾン投信アドバイザーの房前さんのファンド解説という流れでした。 

f:id:shimo1974:20180216224424j:plain

投資は自己責任ではない

中野さんの冒頭スピーチは、最近の金融庁主導による投信業界の改革の動きについて。キーワードは、セゾン投信が柱に据える「フィデューシャリーデューティー」です。
法令順守さえしていれば何でもありだった業界から、真に顧客本位の運用業界に変革することが求められています。

投資は自己責任ではない」という言葉は印象的でした。

自分のお金をどう投資するかは、もちろん最終的には自分の責任ですが、投資信託という金融商品においては、運用会社の役割が非常に重要です。「自己責任」と突き放すのではなく、受益者が長期的に資産形成できるよう、「正しい投資行動とは何か」運用会社は受益者に伝え続ける義務があると中野さんは言います。

セゾン投信が考える、生活者にとっての正しい投資行動は、長期投資、国際分散投資、そして積立投資です。

例えば、長期・積立という点でいくと、セゾン投信が、フィデューシャリー宣言で掲げた「顧客本位」を実践できているか測るKPIの一つに、「インベスターリターン(全受益者の平均リターン)と基準価額騰落率の差」があります。

ファンドのパフォーマンスがよくても、そのファンドを買っている投資家のリターンがいいかどうかは別です。高値買い&安値売りを繰り返さず、コツコツ長期積立する受益者が多ければ、インベスターリターンも高まります。

実際に、私の持っている「セゾン資産形成の達人ファンド」では、設定来の基準価額上昇率は年率7.1%なのに対し、インベスターリターンは年率12.3%とかなり上回っています。セゾン投信の長期積立の思想が受益者に浸透している証拠です。

「セゾン資産形成の達人ファンド」第11期のポイント

運用部長・瀬下さんより、第11期(2017/11/11決算)の運用報告がありました。
保有している「セゾン資産形成の達人ファンド」を中心にメモ。数字は全て決算期末のものです。

パフォーマンス

・期中騰落率:+25.0% 
・参考指数(MSCI ACWI配当込):+19.5%

運用状況は好調で、投資先のファンドは全て上昇。
「達人ファンド」は、軟調だったエネルギーセクターの割合が少なめ、好調な新興国や為替が強かったユーロ圏企業が多めのため、この結果となりました。瀬下さんは「追い風参考記録」と謙遜していました。

設定来(2007年3月15日~)の比較です。

・達人ファンド:+108.0%
・参考指数  :+77.8%

ベンチマークはありませんが、設定来で全世界株式インデックスを3割以上上回り、しかも11期中8回勝っています。一方で、リスク(標準偏差)は指数よりも低く抑えているので、素直に凄いアクティブファンドです。房前さんもこの点は強調していました。

(参考)モーニングスターのデータによると、10年の年率シャープレシオは同一カテゴリー62本中1位です。

投資信託のモーニングスター|スナップショット[セゾン 資産形成の達人ファンド]

組入ファンドの入れ替え

2017年3月に、T.ロウ・プライス米国大型グロースファンドを全売却。BBHコア・セレクト・ファンドへの投資を開始しました。

このポートフォリオ入替の理由は、主に2つあります。
・BBHコアセレクトは、Tロウ・プライスよりも長期視点(5年程度)。
・Tロウ・プライスはグロース株メインのため指数の影響を受けやすい。(ベンチマークを意識しない運用により集中する)

※投資先のファンドについては、先日の記事でまとめています。あわせてご覧ください。

相対的に調子の悪いファンドに多めに投資

達人ファンドの一貫した運用手法の一つです。
前期は、相対的にさえなかった「スパークス・ワンアジア厳選投資ファンド」などに資金を多く振り向けました。投資手法や哲学を信頼して長期目線でファンドを選んでいるので、パフォーマンスが悪いときはチャンスととらえて厚めに投資します。

結果的に、相対的に割安なファンドに多めに投資し、リバランス的な効果を発揮します。

「まわりに流されない」運用

達人ファンドは、企業の本質的価値に注目して長期的視点でじっくり企業を選び、割安に投資するファンドへの投資を徹底しています。

特定のセクターやテーマが盛り上がったり、投資環境は常にめまぐるしく変化しますが、自分たちのやることは変わらない、と瀬下さんの力強いコメントがありました。短期的にはパフォーマンスが悪くなったり、市場平均に置いていかれても、正しいと信じた道を進むのみ、だと。この愚直さが魅力です。

達人ファンドは、個人のポートフォリオのメインになっています。今後も安心して託せるファンドであることを再確認しました。

(追記)
セゾン資産形成の達人ファンドが、「日経WOMAN投信大賞2018」を受賞しました。
おめでとうございます!

【過去記事】

「一億人の投信大賞2017」が発表されました

セゾン投信のブロガーズミーティング2017に参加しました