ペルー国内の中小零細事業者をサポートするための、セキュリテのファンドに出資しました。
ファンドで集まった資金は、Abaco(アバコ)というペルーの金融機関に提供されます。
Abacoは、日系人の方が経営しているペルー3位の「貯蓄信用協同組合」です。
ファンドから受け入れた資金を原資に、現地のマイクロファイナンス機関やNGOと協力して、国内の地方生産者や零細事業者に融資を行います。
実はセキュリテでは、2014年に、同じAbaco向けのファンドを1度組成しています。
投資はしませんでしたが、2017年に、Abacoの方が来日したセミナーに参加したことがあり、その時にAbacoの担当者や、Abacoを支援しているIDB(米州開発銀行)の方から直接話を聞くことができました。この融資プログラムの意義は大きいと感じて、2号ファンドができたら出資したいと思っていました。
(当時のセミナー参加レポ)
融資先として、チチカカ湖のマス養殖会社や、コーヒー農家が紹介されています。
これらの事業者は、融資によって資金繰りが安定し、設備投資をしたり、価格交渉力が持てるなど経営基盤を確立できました。そして、Abacoの融資は、融資を受けた事業者の所得向上だけでなく、地域の雇用増加などポジティブなインパクトを生んでいます。
ペルーでは、登録された全事業者のうち99.5%が中小零細事業者にあたります。そして、そのうち金融機関による融資を受けることができているのは、わずかに6.7%しかいません。中小零細事業者の金融アクセスの改善は、国家的な課題でもあり、「ペルー金融包摂国家戦略」も策定されています。
Abacoは、こうした地場の中小零細事業者に対し、融資を通じて生産性を高め、彼らを高付加価値のバリューチェーンに取り込んでいくことを目指しています。
(Abacoペルーの生産者事業拡大ファンド|セキュリテ)
純粋に金融商品としてみると、ペルー国内の融資は現地通貨(ソル)建てで行われるため、ソル円の為替リスクが大きい案件です。
1号ファンドでも、事業自体はうまくいき、ソル建てでの償還率はプラスでしたが、期中のレートがソル安円高に振れたため、円ベースでは元本割れとなりました。為替リスクが気になる人には向きません。
ただ、すでにセキュリテでの実績があるので、出資したお金が有効に使われるだろうという安心感はあります。私自身は、この事業の持つ金融包摂やインパクト投資としての意義が大きいと感じて投資します。
ちなみにペルーというと、クラウドクレジットのソーシャルレンディングでもマイクロファイナンスの案件などに投資中です。
出資は一口31,500円から、募集総額は5,100万円です。