セルフ・リライアンスという生き方

自分も社会も豊かにできるお金の使い方について。日々の投資や寄付の記録を綴ります。

「バリュー投資と企業価値分析の基礎講座2022」第1回

柳下裕紀さんの『バリュー投資と企業価値分析の基礎講座2022』を受講しました。3回シリーズの講座の第1回目です。

柳下さんの著書「真のバリュー投資のための企業価値分析」を拝読したのが受講のきっかけです。

セミナーでは、本の内容もおさらいしながら、真のバリュー投資の考え方、企業価値分析とDCF法の基礎知識を学びました。

「真のバリュー投資」は、いわゆる「割安株投資」とは異なります。企業の「真の価値」と「支払う価格」の乖離によって利益を得る投資です。バリュー=企業が生み出す将来キャッシュフローに基づく本質的価値を算定し、安全な株価水準で投資します。

具体的には、CF計算書やROICにより価値創造力をチェックした上で、詳細なフリーキャッシュフロー予測を行い、DCFによる株価算定を行う、という一連のプロセスになります。

有料セミナーにつき詳細は書けませんが、キーワードを挙げておきます。
・利益は意見、キャッシュフローこそ事実
・会計は過去、ファイナンスは将来を見る
・キャッシュフロー計算書の具体的な見方
・ROIC(投下資本利益率)の重要性(ROEでもROAでもなく) 
・資本コスト、CAPM、ベータの意味(問題点も含めて)
・FCF予測における運転資本の重要性
・株主還元について(自社株買いか配当か)

3時間があっという間の中味の濃い講義でした。

全体を通して、企業価値分析を行う上で大切と思った点が2つあります。

◎企業はステークホルダーとの価値交換のシステム

「企業はステークホルダーとの価値交換のシステムである」という基本は非常に重要と思いました。持続的に価値を高めている企業は、ESGなどことさらにアピールしなくても、ステークホルダー(顧客、取引先、従業員、政府、債権者、株主)に対するバランスの取れた価値の提供を必然的に行っています。そういう企業を選び、オーナーとして価値創造をサポートすることが投資家の役割です。

CSRやCSVを声高に叫ぶ前に、さらにはSDGsやESGを投資テーマに掲げる前に、まず本業で価値を創造し、ステークホルダーへ公平公正に分配しながら増大させる、それこそが企業のレゾンデートル(存在意義)であり、本質であることをあらためて確認すべきです。(「真のバリュー投資と企業価値分析の基礎」p15)

◎DCFは過程に意味がある

DCF法は理論的で合理的な企業価値分析手法ですが、フリーキャッシュフローの予測と割引率(資本コスト)や永久成長率の設定次第で結論額は大きく変わります。自分も本業でDCFを使った不動産評価をやっているのでよく分かります。

だからこそ、 「正確無比な理論株価など出せない」こと、「数字をつくる過程で、企業について多角的に分析し、仮説を立て、検証を繰り返すことが大事」という柳下さんの話は仰る通りと思います。手間はかかりますが、数字をつくる作業そのものが対象企業の深い理解につながるのがDCFの大きなメリットです。結果的に「大きくは間違わない」=負けない投資ができる、ということです。

 

実際に話を聞くことで理解が深まり、有意義でした。(企業価値分析を学ぶ講座なので、個別の銘柄推奨などを聞きたい人には向きません。念のため)  2回目も受講したいと思います。