セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

ユーグレナの株主総会に参加しました

今年株主になったユーグレナの株主総会(15期)に初めて出席しました。
ユーグレナは個人株主とのコミュニケーションを大事にしているので、どんな雰囲気か見てみようと。

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ユーグレナは、熱心なファンに支えられている会社です。
自分は2016年の鎌倉投信の総会で出雲社長の話を聞き、ファンになりました。出雲さんは過去2回登壇しています。

鎌倉投信・第7回「結い2101」受益者総会(その2)(2016.9.13)

鎌倉投信の第10回「結い2101」受益者総会 (2019.9.24)

緑汁などの健康食品だけでなく、バイオジェット燃料の開発や、バングラデシュでのソーシャルビジネスなど、本業で社会課題の解決に取り組んでいるところに共感しています。

2019年9月期の業績は創業以来初の減収となり、バイオジェット燃料の実用化が遅れている一方でプラントの投資がかさみ大幅赤字となりました。

ただ、出雲社長からは「会社は絶対に大丈夫、安心してほしい」とのこと。
昨期の損失は将来のためのバイオジェット燃料のプラント投資に伴うものであり、キャッシュ自体は潤沢であること、また、メインのヘルスケア事業も黒字のためです。財務的には問題ない状況です。

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(2019年9月期決算説明資料より)

ただ、ユーグレナ健康食品などの本業のヘルスケア事業も、広宣費を削ったことも影響して売上が頭打ち、減少傾向にあります(特に食品。化粧品はまずまず)。ここは問題で、この対策の話にかなり時間が割かれました。

食品の伸び悩みは、まだまだユーグレナという会社、そしてユーグレナという微生物の「認知度が低い」こと。アンケート調査では「知らない」「買ったことがない」人が約95%でした。「青汁」「野菜ジュース」「機能性ヨーグルト」などのライバルより圧倒的に知られていません。

今までは、ユーグレナを知っている5%に支えられてきましたが、そもそもユーグレナを知らない95%にミドリムシの素晴らしさを伝えるため、これからマーケティングを徹底的に変える方針です。

・潜在顧客であるミドル層向けのデジタルマーケティング拡大(もともとは主要顧客のシニア向けのアナログ広告が主) 
企業/素材/商品を連携させたブランディング広告強化(今までは短期的な商品訴求がメインだった)
・直販以外の小売チャネル拡大

「売る」ためには「伝える」。この原点に立ち戻るということだと思います。これからいろんな場所で「ユーグレナ」を目にできそうなので期待しています。

2時間半たっぷり、出雲社長が自分の言葉で率直に話してくれました。株主と本当に真摯に向き合っている会社ですね。企業展示や即売会なども盛り上がっていて、株主=ファンとのつながりをとても大事にしている会社だなと改めて実感できました。

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もう一つ、今回の収穫の一つは、話題になった17歳のCFO(Chief Future Officer)小澤杏子さんの話を聞けたことです。総会後に小澤さんのトークセッションがありました。

500人もの応募から選ばれた小澤さんですが、社会に対する視野や意識は高校生と思えないものがありました。今はアントシアニンの研究に勤しんでいて、日本の研究環境を変えたいと考えているそうです。将来間違いなくリーダーになりそうな人と直感的に感じました。大人にない視点で、いろんな提言をしてもらいたいです。

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小澤さんは、「ユーグレナは世の中のことを真剣に考えている会社」と言っていました。
自分もそう思います。
社会価値を高めることが企業価値につながる、それを実証してもらいたいです。

 

ユーグレナを知らない方のために。シェアードリサーチのレポートより。

独⾃の⼤量培養技術を武器に微細藻類ユーグレナの様々な⽤途開拓を⾏う

同社は「⼈と地球を健康にする」という経営理念のもと、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の屋外⼤量培養技術を基に機能性⾷品・化粧品・飼料・燃料など様々な⽤途開拓を⾏う、東京⼤学発のバイオテクノロジー企業である。

ユーグレナは植物・動物両⽅の性質を持つ珍しい⽣物で、野菜に含まれるビタミン・ミネラル等の成分に加え、⿂などに多く含まれるDHA、EPAといった不飽和脂肪酸の成分も含有する特⻑を持ち、栄養不⾜・バランスの乱れの解決が期待されている。同社は2005年12⽉にユーグレナの⾷⽤屋外⼤量培養に世界で初めて成功した。

主⼒事業は「⼈を健康にする」ことが⽬的の機能性⾷品や化粧品を製造・販売するヘルスケア事業だが、中期的には「地球を健康にする」ことが⽬的のバイオジェット・ディーゼル燃料の2020年迄の実⽤化を⽬指す。また、創業するきっかけとなったバングラデシュにおける栄養失調問題に代表される世界的な栄養問題の解決も⽬標として掲げる。