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GPIFが新たなESG指数(グローバル環境株式指数)を公募

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GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、ESG投資のうちE(環境)に配慮した新たな株式指数を公募するそうです。

GPIFは、すでにESG要因を考慮した3つのインデックス(FTSE Blossom Japan Index、MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数)を公募・選定し、日本株のパッシブ運用の一部で運用を始めています。

今回は、上記3指数の選定時には見送られていた環境分野の指数を公募します。従来は日本株のみでしたが、気候変動などは地球規模の課題なので、「グローバル株式(除く日本)」、「日本株式」の両方を対象にし、海外株式にもESG投資の対象を広げます。

 

GPIFのリリースから、求められる指数の要件をみると、その意図が見えます。2点抜粋。

特定の業種・業態の企業を一律に除外する(いわゆるネガティブ・スクリーニング)の手法によらず、環境の課題解決を後押しするコンセプトに基づく指数であること

⇒ 一部の海外の運用機関がやっている、例えば「CO2排出量の大きい電力会社を除外する」「パーム油生産企業を外す」といった分かりやすいハードな方法は採りません。
(参考)【ノルウェー】KLP、石炭関連企業31社を投資除外指定。日本の北海道電力、沖縄電力も | Sustainable Japan

時価総額加重指数(親指数)と同程度のリターンが期待され、長期的にはリスク調整後のリターンの改善が期待される指数であり、かつ過去のパフォーマンスやバックテストの結果が概ねそれを裏付けるものであること

⇒ 市場全体のインデックスを横目で見ながら、時価総額大きめかつESGレーティング上位の企業を業種バランスに配慮して組み入れる無難な指数になりそうです。このあたりは、先の3つの指数と同じです。

 

RIEFさんの指摘です。
「市場に提供されている既存の環境指数はCO2排出量の多い業種や企業を除外するネガティブ・スクリーニングの方式などがあるが、GPIFは環境問題に取り組む企業を加点方式で選ぶベストインクラス方式等を想定しており、気候変動ターゲットの指数としてはマイルドなものになりそうだ。」
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、ESG投資の一環としてグローバル環境株式指数を公募。気候変動への対応目指す。運用は「マイルド」な方式を志向(RIEF) | 一般社団法人環境金融研究機構

 

どんな指数が採用されるか分かりませんが、環境関係の専門家やNGOから見たら「ぬるい」と批判されるかもしれません。

ただ、GPIFのESG投資の範囲が日本株からグローバルに広がるのは評価できます。また、最大規模の運用資産を持つユニバーサル・オーナーとして、ESGのうち、環境分野でも一歩を踏み出すこと自体はプラスではないでしょうか。

【過去記事】